第十五章 弟子にして下さい!!
◆ 黒速 次射 ◆
「う~む・・・・・・」
わしは今、人生で一番悩んでいる。
美紀と別れて3日が経った。まだ『老衰』の解き方は分かっていない。
わしはこの3日間でいろんな図書館でいろんな本を見た。やはり古代の幻の魔法じゃったので情報が少ない。
「どうしたものか・・・」
美紀に聞いたが2週間の間なら校長が耐えてくれるらしい。あの校長が。
じゃがあまり時間がない。どうしたものか・・・ん?
よく聞くと「ドン、ドン、ドン、」と扉を叩く音が聞こえる。
「また美紀か・・・」
「よいしょっと」と立ち上がって扉を開ける。するといたのは小さな子供。見た感じ小学生のようじゃ。
「黒速次射さん、ですか?」
「そうじゃが・・・?」
少年は「やっぱり!!」と歓喜している。なんじゃ?なんじゃ?
「黒速さん!僕を弟子にしてください!!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・は?
「ちょい待て?聞き間違いか??ちょっともう一回言ってみて」
「僕を弟子にしてください」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「悪いが弟子はとってない」
バタンッ!!と勢いよく閉めた。わしは机にむかって抹茶を飲み始めた。
——気のせいじゃな。
するとまた「ドン、ドン、ドン、」と扉を叩く音が聞こえる。
「懲りてないのう・・・」
わしはまた扉を開けると今度は大人がいた。服的にボーイスカウト日本連盟の方だ。
説明しよう。ボーイスカウト日本連盟とは「世界スカウト機構憲章に基づき、日本におけるボーイスカウト運動を普及し、その運動を通じて青少年の優れた人格を形成し、かつ国際友愛精神の増進を図り、青少年の健全育成に寄与すること」を目的とする文部科学省所管の公益法人(財団法人)である。
「黒速次射さんですか?」
「はい、そうですが・・・」
「私、ボーイスカウト北区14団の
いきなりの自己紹介が始まってわしがとまどっていると北西が続けて話す。
「実は君にお願いしたいことがある」
「ちょっとついてきて」となれなれしくしゃべりながら歩きだした。仕方なくついていった。
わしの小屋より少し山奥に行くとボーイスカウトの制服を着た人たちクマと戦っていた。しかもただのクマではなく魔物のようだ。
「うてぇ——!!」
魔法が使える世界じゃからボーイスカウトの人も魔法が使えるようじゃ。じゃが魔法高校の生徒に比べればちょっと弱いのう。
「黒速君!少し手伝ってくれ!!」
「わかった!!」
わしは指を鳴らして黒雷を発動させてクマの魔物は黒焦げになった。それをボーイスカウトの人たちはおもちゃを手に入れたときのように目を輝かせながら見ていたのじゃ。
「すげーーー!!」
「どうやったらあんなの撃てるんだ!?」
「俺も指パッチンしたら撃てるかな?」
わしをボーイスカウトの子供たちが囲んできた。そして全員が次々といろんな質問をしてくる。
「ねぇねぇお兄ちゃん、お兄ちゃんって魔法高校の人だよね!?僕、たいいくさいってのに行ってたんだよ」
「僕も行ってたよ!!」
「私も!!」
「お兄ちゃん、なんでこんなところにいるの!?」
わしが返答に困っていると・・・
「はいはい、みんな。質問は後でにしようね」
子供たちはそれを聞いた瞬間、「は~い」といってすぐに整列した。子供というのは恐ろしい。立った一声ですぐに言うこと聞くとは・・・
そう思っていると北西さんがわしのところにきた。
「助かったよ、黒速君。実はもう一つお願いがあってね」
「ん?なんじゃ?」
「ボーイスカウトのリーダーとしてこの子たちを引っ張ってほしい」
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