第十三章 黒速虎二
わしの父、黒速虎二が空中に浮かびながら腕を組んでいる。虎二も魔法が使える。属性は’飛翔’。簡単に言えば空を飛ぶことができる。
「これを使え!!」
そういって虎二が投げた袋をわしはすかさずキャッチした。その袋の中身を取り出すと・・・———————こ、これは!!それは遅延が作った『ゴーレム生成器』に似た形をしている。じゃがそれは別物だとわしにはわかった。これは『装填式ゼクターマシン』。魔力を貯めることができ、それを使用者のMPを消費していつでも発動させることができる。例えば水魔法をこの『装填式ゼクターマシン』に溜め込み、そしてMPを消費すれば貯めた水魔法が放てるということじゃ。これの全自動ver.を家に置いているおかげでうちは水道代に金をかけていない。『黒雷!!』わしは『装填式ゼクターマシン』に黒雷を貯めた。
「美紀!これを使うんじゃ!!」
そしてそれを美紀に渡す。美紀はゼクターマシンを装着して指を鳴らした。
すると「ゴオオオオオオオオン!!」と落雷の音。Aクラスの生徒の半数を戦闘不能にさせたのじゃ。
そしてわしはもう一つのゼクターマシンに遅延のゴーレム生成を貯めた。そしてそれをわしが装着し、ゴーレムを生成させた。
そのゴーレムたちに大玉を動かしてもらい、わしらは援護にあたることにした。あと少しでゴールする・・・
———勝った!!そう思ったとき・・・
「ガア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!」
およそ人間の出す声ではないことはわかった。何かがこちらに向かってきている!!
「おい!なんだあれは!?」
観客の人が何か見つけたようじゃ。わしらもそっちを見てみると・・・
「冗談じゃろ・・・なんてデカさじゃ!?」
パッと見た感じ全長30mはある巨大こうもりじゃった。わしは以前フラス先生からもらったゴーグルをかけてステータスを見た。
べネブ (召喚)
Lv.86
HP 16000
MP6210
攻撃力 703
防御力 444
素早さ 777
特殊スキル↓
(空中回避)(召喚)
ステータスが高いのう・・・んっ!?!?召喚じゃと!?誰かがここに呼び出したというわけか!?どういうことか詳しく調べたかったが、今はそんな場合じゃない。
「伊勢盆!急いで観客たちを避難させてくれ!!」
「わかった!!」
伊勢盆やほかの教師が観客の避難を始める。
「さて、今日も茶柱を立てるとするかのう」
そうしてわしらBクラスのメンバーは戦闘態勢に入る。まずわしは指を鳴らして黒雷を発動。
しかしべネブには回避されてしまった。その後も倉橋の
———どうしても避けられてしまう!どうしたらいいんじゃ!!?そこでわしはひらめいた。
やつの動きを読む必要もやつの動きを止める必要もない。やつに回避不能の魔法を当てればいいんじゃ!!ステータスで見たことはあるが実際に発動させたことはない。なので・・・
「美紀!倉橋!今からデカいの撃つ!みんなと一緒に離れててくれ!」
美紀と倉橋はうなずき、わしとべネブから離れる。
——よし、集中するんじゃ・・・
——効果範囲35m・・・MP消費120・・・指定数字は・・・75・・・対象が効果範囲にいることを確認・・・これがわしの・・・最強魔法!!
『老衰!!』
その瞬間、何やらわしの指定した35m範囲にだけ不気味な空気が漂ってきた。べネブのほうを見ると苦しそうに倒れこんでしまっている。さらにべネブの体がどんどん老けていってるではないか!!これがこの魔法の特徴。
指定した数字の数、強制的に年をとらせてしまう。そしてべネブの動きが鈍くなってきたところでわしは黒雷を放つ。
「ゴオオオオオオオオン!!」と落雷の音。それを3連発お見舞いする。
やがてべネブは動かなくなった。ステータスを確認し、完全に絶命したことを確認。
「よし!倒したぞい!」
そういってわしがみんなの方を振り向くとみんなが一歩後ろに下がっているように見えた。
「・・・・・・・・・どうしたんじゃ?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます