第八章 これが大玉転がし・・・??
あの質問ラッシュから数日が経過した。現在5月14日。そして6月には”あれ”が始まる・・・
「お~いお前たち、席についてるな?」
いつものように伊勢盆がやってきた。今日は一枚のプリントをもってきている。なんじゃろうかあれは?席替えかのう・・・??
「ええ、今から体育祭についての説明を行う」
なんじゃ、全然違ったわい。ん?そうか体育祭というのがあったのう。
ちなみに小学校、中学校の体育祭は一応やったがどれも普通じゃった。
もしかするとかなりレベルの高い体育祭かもしれんのう。
「俺たちがやるのは50m走と大玉転がしだ」
50m走って普通体力テストでやるんじゃ?そう言おうと思ったのじゃがやめておいた。ほかのやつらがぎゃあぎゃあ騒いでいて声が届きそうになさそうじゃったからのう。それにしても大玉転がしか・・・前世じゃしたことなかったのう。
「それで少し早いがリハーサルをしようということになった」
まあリハーサルをする意義は分かる。じゃがまだ早いと思うがのう。本番まであと1か月半あるからのう。
「じゃあちょっと移動するぞ」
伊勢盆がわしたちを集合させてテレポートした。そしてテレポートしてやってきた先には大きな闘技場が立っていたのじゃ。
「えっとぉ・・・ここはどこじゃ?」
すると伊勢盆がゆっくりと話し出した。
「ここが大玉転がし専用の闘技場だ」
体育祭にわざわざこんな金をかけて専用闘技場を作っておる学校なんて生まれて初めて見たわい。
「ちなみにこれが大玉だ」
そういって伊勢盆が取り出したのは半径50mにも及ぶ巨大な大玉が現れた!!
「ちょいとデカくないか?」
「そうか?この世界じゃあ常識だぞ?」
マジか・・・頭がこんがりそうじゃ。そんなデカい大玉を見ながら伊勢盆が話し始めた。
「半径50m、重さは130kg。素材は魔法演習で使った人形と同じ材質だ。少し強度も上げていて威力1000以下の魔法はかすり傷つかない」
なるほど、わしの魔法にも耐えれるということじゃな。なんという親切設計じゃ。
「ただしお前の全力には耐えられないからな、調子乗って全力で撃つなよ?」
結局無理なんかい・・・そうしょぼくれていると後ろで伊勢盆がしょぼくれた顔でわしを見てきた。
「そう落ち込むな、俺だって盆栽仲間を探すのに37年かかったんだぞ」
37?つまり伊勢盆若そうに見えるが40歳越えってことか!?人は見た目によらないんじゃのう。
「じゃあ次射、指揮は任せた」
謎にわしに押し付けられてしもうた。まあいっかと思いながらわしはみんなの前で堂々とする。
「じゃあまずはルールの確認をしたい。伊勢盆、ルールが書いてる紙くれ」
「ほらよ」とわしにルール用紙をポイッっと投げた。ルールにはこう書いてあった。
『大玉転がし ルール
・相手陣地に大玉を転がせたら勝ち
・けがを負わせたら即退場
以上』
ルールはたったそれだけしか書いていなかった・・・わしはその場から動けなかったんじゃ。
「えっと・・・これ以外には・・・」
「いや、ないぞ?」
確認してみるがこれがこの大玉転がしのルールだそうだ・・・
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