第七章 今日から茶柱を立てるとするかのう
わしらはその後も順調に倒していった。わしの魔法力訓練が役立ったからかのう。結局誰もクラスAにやられなかったわい。
「クラスA 討伐数14体。対してクラスB 討伐数は・・・」
緊張で静まりかえっているところに声が聞こえる。
「70体!!ということで勝者はクラスB!!!!」
「やったぞい!!!」
わしらは見事勝利した。しかも大差をつけて。すると先ほどまで黒焦げになっていて今さっき治療してもらった浅元がやってきた。
「完敗だよ。黒速」
浅元が手を差し伸べてきた。つまり認めてくれたということじゃろう。わしがその手を取ろうとすると・・・
「おい、助けてくれ!!」
向こうから声が聞こえてきた。わしらクラスBとクラスAのメンバー、さらに先生たちもそろってそちらに向かった。そこには・・・
「グァアアアアアア!!」
でかい未確認生物だった。形は・・・エイリアンっぽいが・・・ほんとになんなんじゃ!?こやつは!?
「いったいどこから出てきたんだ!?」
わしら含めて先生たちもどこから来たのかよくわからんそうじゃ。
「先生!魔法が通じません!!」
クラスAの生徒たちが次々に魔法を撃っているが大して効いておらんようじゃ。そこに魔法研究部のフラス先生がやってきて・・・
「黒速君!これを使ってみて!!」
渡してきたのは相手のステータスを見えるゴーグルじゃ。わしはそれをつけてステータスを見てみたのじゃ。
ウケグチノホソミオナガノオキナハギ (野良)
Lv.48
HP 480 MP228
攻撃力 149 防御力 155
素早さ 48
特殊スキル↓
(下級~中級魔法無効化)
なるほどのう。確かにめんどくさいのう。
「伊勢盆」
わしは伊勢盆こと伊勢先生を呼んで告げた。
「あの魔物、わしにやらせてくれんか?」
「何っ!?」
伊勢盆は怒り出した。
「血迷ったか!?黒速!あの魔物は下級~中級魔法を無効化するんだぞ!?ここは冒険者たちを呼んで・・・うん?」
伊勢盆は怒っている途中、考え出した。
「いや、待て。黒速の使う黒雷って確か・・・」
伊勢盆は小声でぶつぶつと言いながら・・・
「わかった。だがこちらもできる限り協力する」
「助かるわい」
わしは少し前に進み、先生たちを呼び集める。
「先生たちで一度魔法を放って注意を引いてください。その間にでかいのを一つぶちかまします」
「「わかった」」
意外にも先生たちは協力してくれた。まぁみんなわしのことを知っておるからのう。そして先生たちがあの手この手を使い攻撃し続ける。
「さて、今日から茶柱を立てるとするかのう」
わしはいつもよりも魔法力を集めた。初めて本気で魔法を撃つのじゃ。
『黒雷!!』
パチンッ
その瞬間、威力を抑えてた時より10倍近い大きな雷が降り注がれたのじゃ!!その威力は黒焦げや塵になったなんかとは比にならんかった。跡形もなかったのじゃ。
「やりすぎた・・・」
一言そうつぶやいた後、周りから「おおおおおぉ!!」という歓声があふれた。
「すげぇ!!あの魔物を瞬殺で!!」
「さすがクラスBを育てたエース、黒速だ!!」
は?エース??わしはその聞きたくない単語に引っかかった。勝手にエースにされてしもうとる。
そんなこんなでわしはまた注目の的になったのじゃ。
「なぁなぁどうやったらそんな高度な魔法が使えるんだよ?」
「え?いやわs・・・俺は何もしてないけど・・・」
「じゃあさ、どうやってクラスBの人たちを鍛えたの?」
「あと大場さんと幼馴染ってホント!?」
「まぁ一応な」
「あこがれるぜ!」
翌日からわしは質問ラッシュに遭ってしまったのじゃ。
「す、すまんのう。ちょっとトイレに」
わしはトイレに駆け込んでいった。何とか逃げ切ったか・・・
わしはトイレの中で10分過ごすのであった・・・
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます