第七章 今日から茶柱を立てるとするかのう

 わしらはその後も順調に倒していった。わしの魔法力訓練が役立ったからかうちのクラスは誰一人クラスAの連中にやられることはなかった。クラスAの奴らはわしらの予想外の力に驚きどんどんボロが出てきた。そしてわしがまた一人魔物を倒したところで終了のアラームが鳴った。

 そして全員が集まったところで結果発表が始まった。


「クラスA 討伐数14体。対してクラスB 討伐数は・・・」


 緊張で静まりかえっているところに声が聞こえる。


「70体!!ということで勝者はクラスB!!!!」

「やったぞい!!!」


 わしらは見事勝利した。しかも大差をつけて。ちなみにクラスAがクラスBやクラスCに負けたのは歴代で初めてらしい。


「よくやったのう!」

次射じいのスパルタ指導のおかげだよ!!」


 わしらが勝利に喜んでいると先ほどまで黒焦げになっていて今さっき治療してもらった浅元あさもとがやってきた。


「完敗だよ。黒速くろはや

「浅元・・・・・・」


 浅元が手を差し伸べてきた。つまり認めてくれたということじゃろう。これでめでたしめでたし!わしがその手を取ろうとすると・・・


「グァアアアア!!」


 そう遠くないところで魔物の鳴き声が聞こえた。しかもそこら辺の低級の魔物ではない。これは・・・


「おい、助けてくれ!!」


 向こうから生徒の声が聞こえてきた。わしらクラスBとクラスAのメンバー、さらに先生たちもそろってそちらに向かった。そこには・・・


「グァアアアアアア!!」


 でかい未確認生物だった。形は・・・エイリアンっぽいが・・・ほんとになんなんじゃ!?こやつは!?


「いったいどこから出てきたんだ!?」


 わしら含めて先生たちもどこから来たのかよくわからんそうじゃ。つまりこの森に出てくるはずがない魔物ということじゃ。クラスAの生徒たちが魔法で応戦する。奴に強力な魔法が当たるがそれに動じもせずに進みだす。


「先生!魔法が通じません!!」


 どうやら奴には魔法に異常な耐性を持っているようだ。物理で攻撃しようにも巨大すぎて足元にしか当たらない。


「黒速君!!」


 そこに魔法研究部のフラス先生がやってきた。彼女もこの騒動を聞いてやって来たらしい。


「これ一体どういう状況!?」

「それがわしにもわからん!!そういえば相手のステータスを見れる道具みたいなのは無いのか!?」

「確かこれでできるはず!!これを使ってみて!!」


 渡してきたのは相手のステータスを見えるゴーグルじゃ。わしはそれをつけてステータスを見てみたのじゃ。

 すると次のように表示された。


ウケグチノホソミオナガノオキナハギ (野良)

Lv.48

HP 480  MP228

攻撃力 149  防御力 155

素早さ 48

特殊スキル↓

(下級~中級魔法無効化)


 わしの予想通り特殊スキルのせいで魔法が何も聞かないらしい。しかしふとおもったのじゃ。わしの黒雷は・・・


「伊勢盆」


 わしは伊勢盆こと伊勢先生を呼んで告げた。これが最善策じゃと思ったからじゃ。


「あの魔物、わしにやらせてくれんか?」

「何っ!?」


 伊勢盆は怒り出した。わしの肩をつかみ叫びだす。あーうるさいうるさい。


「血迷ったか!?黒速!あの魔物は下級~中級魔法を無効化するんだぞ!?ここは警察を呼んで・・・うん?」


 伊勢盆は怒っている途中、考え出した。


「いや、待て。黒速の使う黒雷こくらいって確か・・・」


 伊勢盆は小声でぶつぶつと言いながら・・・どうやらわしの考えを見抜いてくれたようじゃ。


「わかった。だがこちらもできる限り協力する」

「助かるわい」


 わしは少し前に進み、先生たちを呼び集める。


「先生たちで一度魔法を放って注意を引いてください。その間にでかいのを一つぶちかまします」

「「わかった」」


 意外にも先生たちは協力してくれた。みんなわしのことを噂で知っているようだ。そして先生たちがあの手この手を使い攻撃し続ける。


「さて、今日から茶柱を立てるとするかのう」


 わしはいつもよりも魔法力を集めた。生まれて初めて、本気で魔法を撃つ。


『黒雷!!』


パチンッ


 その瞬間、ドガァァァァァアァン!!と威力を抑えてた時より10倍近い大きな柱が降り注がれた!!その威力はこれまでのころとは比にならんかった。跡形もなかった上に地面は黒焦げ。さらにヒビまで入っている。


「やりすぎた・・・」


 一言そうつぶやいた後、周りから「おおおおおぉ!!」という歓声があふれた。


「すげぇ!!あの魔物を瞬殺で!!」

「さすがクラスBを育てたエース、黒速だ!!」


 は?エース??わしはその聞きたくない単語に引っかかった。勝手にエースにされてしもうとる。

 こうして謎の上級魔物はわし一人の手によって倒されたのだ。じゃが本番はここからだったのじゃ。

 わしはまた注目の的になったのじゃ。


「なぁなぁどうやったらそんな高度な魔法が使えるんだよ?」

「え?いやわs・・・俺は何もしてないけど・・・」

「じゃあさ、どうやってクラスBの人たちを鍛えたの?」

「あと大場おおばさんと幼馴染ってホント!?」

「まぁ一応な」

「あこがれるぜ!」


 翌日からわしは質問ラッシュに遭ってしまったのじゃ。


「す、すまんのう。ちょっとトイレに」


 わしはトイレに駆け込んでいった。何とか逃げ切ったか。うぅ・・・胃が痛い。これだから目立ちたくないんじゃ!!


 わしはトイレの中で10分過ごすのであった・・・

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