第四章 クラスAVSクラスB

 周りの生徒を見てわしは確信した。どうやらわしは今、からまれているようじゃ・・・


 ———————さかのぼること数分前・・・


 わしが無詠唱で魔法を放ったことは学校中に広まってしまっているようじゃ。廊下を歩いているといろんなクラスの生徒たちがわしに迫ってくるのじゃ。その中に・・・


「お前が黒速くろはや次射じいだな?」


 声のしたほうに振り向くとそこまですごくないオーラを持った(わしから見たら)生徒が来た。おそらくクラスAの輩じゃろう。


「お前、今日からクラスAに来い」

「いや何を言っとるんですか?」


 わしは普通に意味が分かってなかった。いや突然何をぬかしておるんじゃ。あと顔も知らんし。


「お前のような逸材はクラスAに来るべきだ」

「せめて名乗れい」

「ん?確かにそうだな」


 おっ思ったよりも律儀だな。その生徒が髪をかき上げポーズを決めながら話した。何じゃろう、このどこかで見たことがあるポーズ。


「俺の名前は浅元あさもと 千瀬ちとせ。もう一度言うがお前のような逸材はクラスAに来るべきだ」


 何を言っとるんじゃこの若造。あと途中からクラスを変えるなんてできるのか?


「さぁ来い!!」


 わしはそういわれながら手をつかまれてしまった。なので・・・


 パチンッ


 ドオォォォォォォォン!!


「ぐぎゃああああああああああ!!」


 彼に黒雷こくらいを浴びせた。もちろん威力を抑えて。これを威力750のままで放ったら殺してしまうわ。


「な・・・なにを・・・する・・・」

「わしはクラスBに残る」

「な・・・ぜ・・・」


 わしはそいつに背を向けながら歩きだした。


「・・・表彰されたくない」

「「「「「は?」」」」」


 これがわしがクラスAに入らなかった本当の理由。クラスAは強い。つまり行事ごとは必ず勝つ。つまり必然的に表彰台に立たされるということじゃ。


「みんなの前で表彰される可能性を少しでも下げるためにわしは残る。あと梅干し嫌い!」


 そういってわしは去った。



「あっ次射!どこに行ってたのよ!もう授業始まるよ!!」


 教室に戻ると美紀みきが焦った顔でこちらに来た。教室には誰一人いない。


「あれ?ほかのやつは?」

「だ・か・ら!!移動授業だって!!」


 ・・・えええええええええええええええ!!!!!?そうじゃった!!すっかり授業のことを忘れておった!!時間を見ると残り2分ほどじゃった。ああもう!これもすべてあいつのせいじゃ!!

 浅元を恨みつつもわしは美紀と一緒に全力ダッシュしたのだった。


「これじゃあ間に合わんぞ!!」


 走ること20秒でわしはそう思った。


「次射!足に雷をまとったら!?」

「それじゃ!!」


 わしはひらめいた。足に雷を纏い、そのエネルギーを走るときに解放する。わしは美紀の手をつなぎ、


「えっちょ、次射!?」

襲雷しゅうらい!!」


 その瞬間、わしらは気が付けば教室前におったのじゃ。


「ふぅ~ついた」

「・・・・・・」


 授業まであと1分。ギリギリ間に合ったわい。扉を開けるとほかの生徒たちは座っていた。そういえばなんか美紀の顔が少し赤かったような・・・・・・うん、気のせいか!!

 そしてわしらは席に座って3時間目を始める。


「よし、戻ってきたな。まず黒速、今度からは複数人で行動しろ。お前が一人でいる

と囲まれたり絡まれたりと大変だからな。」


 わしのことは既に学校中に知れ渡っておるようじゃ。面倒なことになったわい。

3時間目は科学の授業じゃ。魔法学校なのに科学なんて必要なのじゃろうか?伊勢盆曰く、「ただのお遊びだ」とのことじゃ。


 なんかそうこう考えていると科学の授業が終わった。結構あっけなかったな。その後、戻ってくると・・・


「おい、貴様!!今すぐ俺と決闘しろ!!」


 聞き覚えのある声が聞こえたので振り向くと・・・そこには先ほどの時間にぼこぼこにした浅元 千瀬だった。


「めんどくさいんだけど。わざわざ決闘とかさ」

「うるさぁい!!今ここで決闘する!」


 そういい、浅元が魔法を放ってくる。炎魔法のようじゃ。階級的には中級レベルじゃろうな。しかしそんなチンケな魔法、わしの前には無意味!!


電盾エネルギーシールド


 わしはすかさず防御魔法で防いだ。やつの撃った炎魔法は塵になったわい。

 ちなみにこの魔法はわしが独自に開発したのじゃ。わしの欠点は防御力じゃからのう。


「今度はわしの番じゃ」


 パチンッ


 ドォォォォォォォン!!


「ぐぎゃああああああああああ!!」


 また黒雷を浴びせた。今度は少し威力をあげて。奴はパタリと倒れて動かなくなった。


「これで懲りればいいが・・・」


 そういいまたわしはその場を去った。

 それからも休憩時間になるたびに現れ、わしが黒雷で返り討ちするという光景が3回行われた。本当にしつこいわい。


「う・・・が・・・」


 さすがに黒雷を当てすぎたのか既に瀕死状態だ。いくら回復していようともダメージが蓄積されておる。先生に叱られるのはいやなのでわしはそのまま逃げるようにして家に帰った。



16:40黒速家


「ただいま~」


 わしは家に帰ってきた。疲れたのですぐに休もうと2階にのぼり、ベッドに横になった。明日からまたやつが襲ってくるのかのう・・・そろそろ対策を考えんといけんのう・・・


 翌日


 今日も普通に登校しておったんじゃが・・・


「貴様!!よくもこの俺をこけにしやがったな!」


 こけにしたつもりはなかったんじゃがな。ってかお主が勝手におそってきたんじゃろうが・・・

 そう思いつつも黒雷を浴びせる。またパタリと倒れた。その隙にわしは逃げ込むように教室に入ったのじゃ。


「おっ黒速。どうしたんだ?」

「いや、またクラスAのやつに絡まれて・・・」


 教室に着いて遅延ちえと話していた。昨日から今日までのことすべてをな。


「う~ん、それは当然じゃない?そもそもクラスAのやつがクラスBのやつに負けたら学校中の笑いものにされるからな」


 なるほどのう。それであんなにしつこく来たのか。しかし・・・


「でもめんどくさいのう。わざわざ勧誘に来るなんて。しかも強引に」



 遅延は笑っていたがわしは全然笑えんかった・・・

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