第四章 クラスAVSクラスB

どうやらわしは今、からまれているようじゃ・・・


———————さかのぼること数分前・・・

わしが無詠唱で魔法を放ったことは学校中に広まってしまっているようじゃ。廊下を歩いているといろんなクラスの生徒たちがわしに迫ってくるのじゃ。その中に・・・


「お前が黒速次射だな?」


声のしたほうに振り向くとすさまじいオーラを持った生徒が来た。おそらくクラスAの輩じゃろう。


「お前、今日からクラスAに来い」

「いや何を言っとるんですか?」


わしは普通に意味が分かってなかった。


「お前のような逸材はクラスAに来るべきだ」


何を言っとるんじゃこの若造ら。あと途中からクラスを変えるなんてできるのか?


「さぁ来い!!」


わしはそういわれながら手をつかまれてしまった。なので・・・

パチンッ


「ぐぎゃああああああああああ!!」


黒雷を浴びせた。もちろん威力を抑えて。


「な・・・なにを・・・する・・・」

「わしはクラスBに残る」

「な・・・ぜ・・・」


わしはそいつに背を向けながら歩きだした。


「・・・表彰されたくない」

「「「「「は?」」」」」


これがわしがクラスAに入らなかった本当の理由。クラスAは強い。つまり必然的に表彰台に立たされるということじゃ。


「教えてやろう。俺の嫌いなものは梅干しとみんなの前で表彰されることだからだ!!」


そういってわしは去った。


「あっ次射!どこに行ってたのよ!もう授業始まるよ!!」


教室に戻ると美紀が焦った顔でこちらに来た。教室には誰一人いない。


「あれ?ほかのやつは?」

「だ・か・ら!!移動授業だって!!」


・・・えええええええええええええええ!!!!!?

驚きながらもわしは美紀と一緒に全力ダッシュしたのだった。


「これじゃあ間に合わんぞ!!」


走ること20秒でわしはそう思った。


「次射!足に雷をまとったら!?」

「それじゃ!!」


わしはひらめいた。足に雷を纏い、そのエネルギーで全力ダッシュする。わしは美紀の手をつなぎ、


襲雷しゅうらい!!」


その瞬間、わしらは気が付けば教室前におったのじゃ。


「ふぅ~ついた」


授業まであと1分。ギリギリ間に合ったわい。扉を開けるとほかの生徒たちは座っていた。

そしてわしらは席に座って3時間目を始める。


「よし、まず黒速。今度からは複数人で行動しろ。お前が一人でいると囲まれたり絡まれたりと大変だからな。」


わしのことは既に学校中に知れ渡っておるようじゃ。面倒なことになったわい。

3時間目は科学の授業じゃ。魔法あるのに科学なんて必要なのじゃろうか?伊勢盆先生曰く、「ただのお遊びだ」とのことじゃ。

科学の授業はすぐに終わった気がした。

その後、戻ってくると・・・


「おい、貴様!!今すぐ俺と決闘しろ!!」


聞き覚えのある声が聞こえたので振り向くと・・・

そこには先ほどの時間にぼこぼこにしたクラスAの生徒だった。


「めんどくさいんだけど。わざわざ決闘とかさ」

「うるさぁい!!今ここで決闘する!」


そういい、クラスAの生徒が魔法を放ってくるが、


電盾エネルギーシールド


わしはすかさず防御魔法で防いだ。やつの撃った炎魔法は塵になったわい。


「今度はわしの番じゃ」


パチンッ


「ぐぎゃああああああああああ!!」


また黒雷を浴びせた。今度は少し威力をあげて。パタリと倒れて動かなくなった。


「これで懲りればいいが・・・」


そういいまたわしはその場を去った。


それからも休憩時間になるたびに現れ、わしが黒雷で返り討ちするという光景が3回行われた。


「う・・・が・・・」


さすがに黒雷を当てすぎたのか既に瀕死状態だ。わしはそのまま逃げるようにして家に帰った。


16:40黒速家


「ただいま~」


わしは家に帰ってきた。疲れたのですぐに休もうと2階にのぼり、ベッドに横になった。明日からまたやつが襲ってくるのかのう・・・そろそろ対策を考えんといけんのう・・・


翌日

今日も普通に登校しておったんじゃが・・・


「貴様!!よくもこの俺をこけにしやがったな!」


いやお主が勝手におそってきたんじゃろうが・・・そう思いつつも黒雷を浴びせる。またパタリと倒れた。そのすきにわしは教室に入ったのじゃ。


「おっ黒速。どうしたんだ?」

「いや、またクラスAのやつに絡まれて・・・」


教室に着いて遅延と話していた。昨日から今日までのことすべて。


「う~ん、それは当然じゃない?そもそもクラスAのやつがクラスBのやつに負けたら笑いものにされるからな」


なるほどのう。それであんなにしつこく来たのか。


「でもめんどくさいのう。わざわざ勧誘に来るなんて。しかも強引に」


遅延は笑っていたがわしは全然笑えんかった・・・

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