第一章 2度目の高校生
自然に囲まれている集落に一軒、ほかの家とは比べ物にならないくらい大きな家。その中にわしがいるのじゃ。
わしは
「あっ次射!!」
向こうから元気に手を振りながらこちらに近づいてくる若い女性。彼女はわしの幼馴染という設定の大場美紀じゃ。彼女は前世の妻によく似ておる。いや逆に共通してないところがないくらいじゃ。おっと、別に付き合ってるわけじゃないぞ?
「それじゃあいこっか!」
「そうじゃッ・・・そうだな。」
このようにまだ若者の言葉には慣れんのじゃ。ん?どこに行くかじゃと?
歩くこと10分・・・
「着いたよ!次射!」
ここは県立魔法高等学校。魔法を重点的に覚えることができる学校じゃ。ちなみにわしはここで受験を受けて首席を取ったんじゃ。さて、何を話すべきじゃろう・・・
「次射?どうしたの?」
「ん?ああ、なんでも・・・ないよ。」
そうこうしてるうちに校内に入ってしもうた。ちなみにわしはBクラスじゃ。なぜBクラスかじゃと?後で教えるわい。
「それでは新入生代表挨拶。首席、黒速次射君。」
「はい。」
返事をしてわしはステージに向かった。正直何を話すかまだ決まっておらん。アドリブでするかのう。
「みなさん、おはようございます。新入生、黒速です。」
初めは普通の挨拶をして最後によろしくお願いしますという超シンプルな挨拶じゃ。
「新入生代表、黒速次射」
そしてわしは言い終えた。パチパチパチと拍手が漂っているがわしにはそんな音が聞こえておらん。なぜなら・・・
「おつかれ、次射!」
「あ——————————つっかれた!!」
もちろんわしだって緊張する。いくら若かりし頃全国トップ10に入っておったからってこんなのやったことないからのう。
そんで長い入学式はこれでおしまいじゃ。次にクラスへ移動じゃ。
「あれ?次射、Aクラスに行かないの?」
「あんなのわs・・・俺には荷が重いって」
あっぶね!!今『わし』って言いかけてしもうたじゃろ!!これだから学校は嫌なんじゃ。いつかボロがでそうで・・・
「それでは1時間目は魔力測定を行うからな。準備ができるまで待ってろ」
そういうと担任は教室を出てってしもうた。担任がいなくなるとたん・・・
「魔力測定1位は俺だぜ!」
「違う!俺だ!」
「私、何位かな・・・」
などなど急にガヤガヤしだした。こういうのは嫌いなんじゃ。
少し風にあたるため廊下に出て壁にもたれかかっていたら・・・
「どうしたの?次射?」
美紀がやってきた。
「さすがにガヤガヤしてて暑くてな。少し風にあたろうと・・・」
「わたしもなんか緊張しちゃって・・・」
・・・・・・・・・・・・。謎の沈黙。超気まずいのう・・・何とか抜け出さねば・・・
「おっ黒速、大場!もうすぐ始めるから席につけよ」
水晶玉を持った先生が呼んだ。ナイスじゃ教師!!
こうしてわしはこの気まずい空間から脱出できたのじゃ。
「さて、魔力測定を始めるぞ」
そして1時間目の魔力測定が始まった。
「俺からやるぜ!!」
一人の陽キャが前に出た。クラスBの倉橋龍之介じゃ。彼が水晶玉に手をかざすと水晶玉がかすかに光った。
「ふむ、MP95といったところか」
「えっ・・・!」
やつはかなりショックらしいのう。クラスAの平均MPは121じゃからのう。トボトボと席に戻ってしもうた。
「次!!」
そこからはコピー&ペーストしたかのようなセリフだった。
「MP80といったところか」
次も・・・
「MP91といったところか」
ってかおんなじセリフばっか言っとるぞい!!なんかセリフ変えろよ!!
次に来たのは美紀だった。彼女が水晶玉に手をかざすと・・・
「ふむ、MP43か。もはや戦士のステータスだぞ」
周りからはクスクスと笑い声。美紀は顔を真っ赤にして戻った。
「じゃあ最後は黒速か」
「はい」
ついにわしの番になった。わしが前に出て手をかざすと・・・
「な、なんだ!?」
水晶玉がとてつもない光に満ち溢れ、そこにはMP数値が書かれていた。
「MP・・・800・・・だと・・・!?」
「「ええええええええええええぇぇぇぇ!!」」
はて?800ってすごいのか?
「まさか人類史上最高値だと!?しかもまだ高校生だぞ!?」
へ?人類史上最大MP?なんでわしがこんなに高いんじゃ?
「ほかの数値も高校生離れした数値だ!!」
わしも水晶玉の数値を見る。そこには・・・
黒速次射
Lv.110
属性:雷・老衰
HP550 MP800
攻撃力850 防御力70 素早さ920
そこからはずっとわしの話題が持ち切りだったのじゃ。まったくゆっくりさせてほしいわい。
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