第2話 ここはどこ
「ここはどこ?」
目が覚めたら夜空が見えた。いやまぁ、みんなはそうなんだとしか思わないだろう。
だけど、これはおかしい、おかしいことなのだ。
こんな、たっだ広くて建物の一つ見当たらない草原に来た覚えなんて全くないのだから。
これは夢なのかな?
いや、それにしてはリアルすぎる。
んー、どうすればいいんだろう?
理解が追いつかなくて、逆に冷静だなぁ。
ふぅ、えっとー。
考えられることは今からどうするかだよね。
一つ目、これは夢だ(絶対に!)。だから、後先考えずに自由にする。
二つ目、朝になるまでここに待機する。
三つ目、今から行動する。
四つ目、ずっと待機する。
私が考えられるのはこれだけ。
このなかっだたら、一つ目は論外で、夜歩くのは怖いから、二つ目と四つ目になる。
四つ目を選んだとして、誰にも見つけられなくて死ぬのは後悔しそうだし、二つ目にしよう。
という訳で
「お休みなさい」
とか言っていた自分を呪いたい。
「お休みなさい」って言った後、当然寝られず、じっとしていた。夜空の星は見たことないくらいたくさん光っていて綺麗だった。星座は見つけられなかったけど。
暇つぶしに星の数を数えていたとき、足音がしたのだ。できる限り音を立てずに見てみると、ソレと目が合ったのだ。
私は脅えながらも、一目散に逃げたのだけど、ソレの方が足が速くてどんどん差が狭まっている。それが今の状態だ。
ずっと全力で走っていたため、喉が痛いし、おなかが痛いし、足が疲れた。
「わぁっ」
足下の石につまずき転んでしまった。
心臓の音がドクドクしているのが聞こえる。
なんとなく、ソレの足音が止まったような気
がした。
見上げてみるとソレが私を囲んでいた。
ソレは灰色の狼の群れだった。
どれも私よりも大きかったが、目の前の狼は桁違いで高さだけで2メートルはあった。
灰色の毛が月の光で不気味に輝いていた。
あぁ、あの時もっと隠れていればよかったんだ。
あぁ、夜だからと言わず人を探していれば。
あぁ、これが夢だったらいいのに。
――私、死ぬんだ。
私は現実から目を背けるように目をつぶった。
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