第3話 姫宮神社へ

校門を出ると、黒塗りの車が止まっていた。

「では、乗って下さい」

そう急かされて車に乗る。学校まで車で送迎されてることなんて、本当にあるんだな…

「どうかしましたか?」

「いや、なんでもない」

そして、僕らは無言になる。…気まずい

流石にこのまま無言のままは辛いから、無難な話題をしてみる。

「姫宮さんって何か趣味あるの?」

「そうですね…弓道、ですかね」

「弓道?確かに…似合いそうだね」

「では、海宮さんは何か趣味があったりするんですか?」

そう言われて考える。うーん…最近忙しくてあんまり趣味をしてないんだけど…あっ、そうだ!

「僕は実験とか好きだよ」

「実験?えっと…科学の、ですか?」

「うん。そんなに意外?」

普通の趣味だと思うんだけどなー

「えっと、海宮さんは死神と聞いていましたので…科学的なモノには興味が無いのかと」

「あー、まあそういう死神もいるけど…少なくとも僕は好きだよ。だって、科学とかって僕たち死神の管轄外だし、尚更興味があるよー」

「へー、そういうモノなんですね。あ、着きましたよ」

姫宮さんに言われて車を降りると、目の前に立派な神社が広がっていた。

「おー、相変わらず立派だねー」

「えっ、一度ここへ来た事があるんですか?」

「うん、少し前に仕事でここで祀ってる神に会いに来たことがあるよー」

「仕事でって…そう簡単に神様に会えるものなんですか?」

「うん、僕これでも神だしね。ほら、死"神"でしょ、死を司る神だし」

「へー、ってことは神様っていっぱいいるんですね。ほら、死神のお仕事ってたくさん人手がいるじゃないですか?」

「あー、そういうのは配下とかにやらせるんだけど…でも神としての格は大分低いよー」

ちなみに僕は死神としての神格はれーちゃんと同じでトップだったりする。

「では、とりあえず家族の所へ案内しますね。こっちです」

僕は、姫宮さんに案内されて、彼女の家族の元へと向かった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る