第13話 危機
廻は無意識のうちに部屋の扉を開けた。香織の静止も間に合わなかった
「直接お会いするのは初めてですね」
この時の廻は間違いなく狂っていた。佐藤を迎え入れたというだけでも可笑しいのにその時の廻はどこか愉悦に満ちた表情をしていたのだ。
「さてお話を始めましょうか」
香織はこの異様な空気に怖気付き流されるままだ
「私のことについては廻さんに以前お話致しましたので今回は省かせて頂きます。では早速本題に入ります。単刀直入に言うとアリシアさんが狙われています。相手は私と同じイス人。諸事情で彼らの拠点の特定すら出来ていません。一応ある程度絞れているのでそちらを調べて頂きたいのです。今データを送りましたのでそれでは」
佐藤は急ぎ早に部屋を出てリビングに戻って行った
香織が口を開いた
「あれはなんなの!イス人ってなんなの!廻答えて!」
「俺にも詳しい事は分からないが味方だ」
「味方だってなんで確信できるのよ!」
「そんなもんはただの勘だけど...少なくとも敵にして勝てる様な奴じゃない」
それは香織も感じていた事だった。佐藤から感じたそれは人間のものではなく得体の知れない化け物のそれだった
「...とりあえず地図確認しましょう」
「そうだな」
廻はスマホを取りだし送られてきた地図を開いた。地図は五月雨町のもので3箇所に赤いピンが立てられていた
1つ目は公民館
2つ目は山の中腹にある小屋
3つ目は港にある倉庫
「公民館以外少し距離があるな...」
「フィリップ達が帰ってきてからどこから調べるか決めましょ」
「あぁそうだな」
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