第4話 アリシアの部屋

「いやー久しぶりにアリシアの部屋に入るね」

香織はアリシアの部屋の扉を開け背伸びをしながら呟く

「えーと確か日記書いてたんだよねー」

香織は部屋を見渡すすると勉強机の上にそれらしきものがあった

「おっこれかな」

手に取ってみると表紙に日記と書かれていた

「あったあった。ちょっと気が引けるけど覗かせてもらうねー」



4/5

明日入学式か。緊張するけど大丈夫、友だち沢山できるから!


4/6

入学式終わったー!友だち沢山出来た!担任の先生も優しそうだし1年間頑張れそう!

でも次は勉強着いてけるか不安になってきた。この土日でしっかり予習しないと


4/7

初授業!予習の成果が出て授業楽勝だった!

明日からは部活の体験期間。なんの部活にするか悩むな〜



ここまでは特に違和感のないただの日記だった

変化が起きたのは4/19


4/19

あの時と同じだ。見える、ここまで見えるのはあの時以来。見えなかった私をお父さんが見えるようにしてくれて以来。でもこれはやばい


4/20

お父さん...こんなのが見えるなら。見えないままでよかったよ


4/21

みんなと距離を置こう。巻き込まないために。なんで私が...


4/22

お父さんが真っ当な手段で見えるようにしてくれたとは思ってなかったけど。そこまでしなくたって良かったのに


4/23

先生が全部知っていた。なぜかは知らないけど。言っていることには何故か説得力があった。


4/24

先生が手伝ってくれるようになった。これで大丈夫。


4/25

美沙叔母さんに心配かけちゃってるみたい。多分みんなが調べ出すんだろうな。うっすら見える


4/26

今度のゴールデンウィークに皆でハイキングに行こうかな。ちょうど明日知夜にも会えるし



「何よこれ」

香織は絶句した。あまりにも現実離れした内容を処理しきれなかった

「アリシアが何かに巻き込まれてる...」

みんなに共有するのは確定だが美沙に言うのかが問題だった。

「美沙さんには黙っておこう」

これが香織が出した結論だった

香織は日記の撮影しバレないように元の場所に戻して部屋を去った

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