ぶいなろっ!!~デビュー3分で前世バレする伝説を作ったVTuber。そんな推しライバーの俺に対する距離感がバグっている件。俺はいちリスナーであって配信者ではない!~
第98配信 配信切り忘れたら姉妹バレした件
第98配信 配信切り忘れたら姉妹バレした件
その日は二期生の魔王サターナ・バアルと六期生の悪魔ベルフェ・ナハトのエロ漫画談義コラボだった。この二人は定期的にエロ漫画について語り合っている。
本日のテーマは
『我はやっぱりNTR展開するなら快楽堕ちする様を丁寧にやって欲しいのにゃ』
『うーん、そうなると単話で完結するのは難しいなぁ。最低でも二話の前後編が必要でしょ』
『我もそう思うにゃ。一話だけだと尺の都合で初めてセッ〇スした時にいきなり快楽堕ちする流れになりがちだから、どうもしっくりこないにゃ。三回目ぐらいのセッ〇スあたりで快楽堕ちするのが個人的にはベストにゃね』
『ベル様的にはNTRならポロリンボーノ先生の作風が好きだな。必ず六話構成の長編にして完堕ちする過程をじっくり丁寧に描いてる』
『ポロリンボーノ先生の作品は大好物にゃ。先週発売された最新刊『貝ワレ』も購入済みにゃ。その中に収録されているNTR長編の内容が結構エグくて個人的にどストライクだったにゃ。配信が終わったらまた読み返すつもりにゃ』
『えっ!? 貝ワレもう発売してたの? ミスった~、配信終わったらポチるわ。――という訳で今回の配信はここまで! 背信者共よ、今日も最後まで観てくれて感謝する。それでは、おつべる~!』
『さらばだ勇者共、エロゲーやり過ぎるにゃよ。ばいでび~』
サターナとベルフェは二期生と六期生なのでデビューした時期は全く違うが、息の合った雑談は観ていて面白い。とにかく二人共変態でヨウツベにBANされないかヒヤヒヤする発言を普通にする。
この二人にメルア姫を加えた三人は現在のぶいなろっ!!におけるセンシティブ発言要員と言っても過言ではない。三人揃ったら爆発物の如く危険極まりない。
エンディングが流れ配信終了かなぁと思っていたら中々終わらない。これってまさか……。
『ふぅー、今日の配信も無事に終了っと。それじゃ夕飯の準備するからテーブルの上拭いといてー! 今日はカレーだよ』
『はぁ~い!』
パソコン画面の向こうから聞こえてくるのはプライベートのサターナとベルフェの声。配信時とは違ってサターナはロリっぽい感じだ。さすがに語尾に「にゃ」は付けていない。
一方のベルフェも元々ロリ系ボイスではあるけど、素はそれよりも更にロリ要素が強くなった感じだ。こうして二人の声を聴き比べてみると声質が似ている気がする。
二人はこれから一緒に夕飯を食べるみたいだが、配信を切り忘れている事に気が付いていない。
さすがに危険なので陽菜を通して連絡して貰おうとすると現在事務所で
そうこうしているうちに二人の会話が始まった。
『ところでお姉ちゃんさー、貝ワレ発売してるなら教えてくれてもいいじゃない。あたしがポロリンボーノ先生の作品好きだって知ってるでしょう? 酷いよー』
『それは知ってるよ。だからちゃんと予約してると思ったの。ほら、そろそろカレーが温まるから冷蔵庫に入れてあるサラダとドレッシング取り出してお茶も準備しておいて~。貝ワレはご飯終わったら買えばいいでしょ?』
コメント
:……今、お姉ちゃんって言った?
:言った
:言ってたね
:こいつぁ驚いた
:サターナとベルフェの中の人はリアル姉妹だったのか……道理で声が似てると思った
:オレも以前から二人の声が似てると思ってた
:俺なんてベルフェがデビューした時から魔王と声が似てると気が付いてリアル姉妹かと疑っていたからね
:気が付くのが遅いよチミ達。ポクはサターナがデビューした瞬間に「あれ? この声ベルフェと似てね?」と気が付いていたからね
:何で二期生デビューした時に六期生が比較対象になるんだよwww
:ウソが下手過ぎて草
:それにしてもこの状況どうするべきか。二人とも配信切り忘れに気が付いていないぞ
:一応二人のZにコメント入れておくか
:ちなみに何てコメント入れるの?
:ハァ……ハァ……二人共リアル姉妹だったんだね……ハァ……ハァ……
:おまわりさん、コイツが犯人ですぅ!!!
:伝え方ぁ!!
:それはそれとして俺も魔王様が作ったカレー食べたい
:今夜はボ〇カレーよ
:そのネタ通じる奴いるのかよ? 今は令和やぞwww
:今、貝ワレ買って読み始めたんだけど、これ凄いな。NTRの流れがリアルでねちっこくて強烈だ
:NTRにある程度免疫がないとムリかもしれない。これを嬉々として読んでいる魔王様はさすがやね
『うーん、お姉ちゃんのカレー美味しい。一生食べ続けられる』
『そんな事言っておだててもダメだからね。次はあんたが調理担当だから』
『いやー、これ本当に美味しいわ。悪魔には出せないよこの味。魔王だからこそ出せる味だよねー。また食べたいなー』
『やっぱり料理サボる気だったのね。全くもう!』
姉妹の和やかなディナーにリスナー達の心が癒やされる。しかし、それだけで終わらないのがぶいなろっ!!なのだと俺たちは思い知らされる事になる。
『ちょっと、食事中にスマホばっかり観てぇ……お行儀悪いでしょ』
『今、貝ワレ読んでるの。今回もポロリンボーノ先生の絵もストーリーも最高ね』
『いつの間にダウンロードしたの!? そういうのは本当に素早いんだから。――で、今回のNTRものの感想はどう?』
『いやぁ、これ控えめに言って神じゃん。ヒロインを堕とす男がネチネチしてて最高。セッ〇スシーンも汗や色んな汁が飛び散ってて芸術の域に達してるよ』
『そうそう、ヒロインが快感に耐えている時の表情とか屈服して快楽に身を委ねた時のアヘ顔とか見応えがあるのよねぇ。その時に飛び散る汁がキラキラ輝いて綺麗なんだよね~』
『さすがお姉ちゃん、意見が合うねぇ~。ヒロインが快楽堕ちした時のトロットロのアヘ顔が最高なんよ。……ここ!! そう、ここら辺最高じゃない!? エッグいわぁ』
『あんた、もうそこまで読んだの!? って、そう! このシーンこそ至高の極致!! さすがは我が妹、見る目があるわね』
『そりゃあ、お姉ちゃんの妹だからねぇ。今でも思い出すわ、小学生の頃にお姉ちゃんの部屋で見つけたエロ本の数々……夢中で読み漁ったNTR、BL、百合、人外、その他にも同人誌多数……あそこはあたしにとって神聖な書庫だったのよ』
『そういや昔、私の部屋に勝手に入ってエロ漫画を読んでたわね。おまけにそこであんた……よくも自称神聖な書庫を汚してくれたわね』
コメント
:もう何処からツッコんだらいいのか分かんねーよ!!
:信じられるか? この姉妹、さっきまで配信で数時間エロ漫画の話をしてたんだぜ
:そして配信が終わったのに、まだエロ漫画の話をしてるんだぜ。しかも配信時より生き生きしてる。どんだけだよw
:日常生活の方が配信よりテンションぶち上げってなんなん? この姉妹……パネェ
:もうさ、姉妹バレよりもこの二人が普段からエロい事しか考えていなかったという事実の方が驚きだよ
:この姉妹、何回アヘ顔やら汁やら言うんだよ! 食事中の会話じゃないよ
:悪魔は魔王の英才教育によって悪魔になったんだな。罪深いな……魔王
:いや、これは自己学習でエロ悪魔になったのでお姉ちゃん魔王は悪くない
:同じ遺伝子持ってんだから遅かれ早かれエロ悪魔として覚醒していたさ
:姉魔王の部屋を汚した妹悪魔……一体ナニをしたっていうんだ……ピュアな俺には皆目見当が付かない!!
:ウソつけw お前の頭ん中汚れまくりですがなwww
サターナとベルフェの中の人がマジもんの変態リアル姉妹だと分かり賑わうリスナーの面々。その一方で配信切り忘れに中々気が付かない二人への心配が強くなってきた時に動きがあった。
『お姉ちゃん、電話きてるよー』
『マネージャーからだ。何だろ? ――はい、どうしたのマネージャー? ……え? 配信……切り忘れ……?』
『……マジ?』
間もなく、配信画面にはサターナとベルフェが戻ってきて驚いた顔をしていた。
かつて同じ様に配信切り忘れをした悪役令嬢ルイーナは切り忘れに気が付いた瞬間絶叫を上げていたが二人は静かだ。
リスナーもどうコメントを入れたら良いのか分からずしばらく沈黙しているとサターナとベルフェがニヤリと妖しい笑みを浮かべた。
『へぇ~、そっかそっかぁ~。バレちゃったみたいだねぇ、妹よ』
『そうみたいだねぇ。どうだった皆ぁ、リアル姉妹のリアルなエロ漫画トーク……面白かった? ある意味、メン限よりもレアだったでしょ?』
普段はクソガキ枠の二人が先程まで会話していた素の声で語りかけて来た。
その瞬間、ゾクリとした感覚が背中を駆け巡る。それは恐怖によるものとかではない。そう、それはもっと別の感情から来るものだ。
『『姉妹の会話を盗み聞きするなんて悪いリスナーだね……このスケベぇ』』
悪戯っぽい甘い声でリスナーを挑発するリアル姉妹VTuber。その瞬間、この場に居たリスナーは壊れた。
コメント
:これは……スンゴイ破壊力だーーーーーーーー!!
:いつもはクソガキ枠の二人がロリお姉しゃんボイスで挑発してキターーーーー!
:なんなん? なんなん、この感覚!? ゾクゾクすっぞ
:あ……この感じ知ってる。以前にも感じた事ある
:そう……これは……
:自分の中の新しい扉が開かれた瞬間のエクスタシーじゃないですかぁ!
:クソガキ枠のくせに……クソガキ枠のくせにぃ……萌えぇぇぇぇぇぇぇぇ!!
:ここまで萌えを感じたのは久しぶりだ
:しかもこれは姉妹萌えなのか? いや、お姉さん萌え? 違う、お姉さんというよりもロリかな? 萌えが渋滞起こしてて頭がパニクってるよ!!
:俺はギャップ萌えに目覚めました。まさか魔王と悪魔にここまでメスみを感じる日が来るなんて想像してなかった。これだからリスナーは辞められない!
:想像出来るか? 最初はクソガキ可愛いで脳を灼かれ、その後にメスガキ姉妹超可愛いで脳を灼き直されるとか……最高かよ!!
今までとは異なる素のサターナとベルフェのギャップ萌えによって新たな扉を開かれ脳を二度灼きされたリスナーは、また一つ彼女たちに沼っていった。
姉妹ギャップ萌え……これは強すぎる。
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