第70配信 デート①
◇
マジでとんでもない事になった。
全ては俺の不注意だ。ルーシーに元気を出して貰おうとスラッシュ&マジックで一緒にブラックドラゴンのテイムに挑戦したら俺がワンユウだとバレた。
そしたらルーシーから告白された。配信ではガブ並みに弄ってくるから面白がって絡んでいるんだと思っていたら、まさかそんな風に思われていたなんて考えもしなかった。
だって俺ずっと彼女どころか女友達もいなかったんだよ? 最近彼女が出来たばかりなのに、それを分かった上で告白されるとか……どうなってんだ俺の人生?
しかも陽菜の話だとルーシーは男女両方イケるらしい。つまり大まかに言ってしまえばルーシーの許容範囲は全人類だ。圧倒的じゃないか。
ぶいなろっ!!に入った頃から陽菜にも好意を抱いていて、現在お泊まり有りのオフコラボを希望している。それはつまり陽菜と百合的なナニかをするつもりだという意味なのだろう。
「何てこった。まさかこんな展開になるなんて予想すらしなかったよ。この先どうなっちゃうんだろう……ん? これは……!」
何気なしに今作品の設定を調べているとタグにいつの間にか『ハーレム』が追加されていた。おかしい、こんなの先日は無かったハズだ。こうなったら仕方ない。――直接確かめよう!
スマホを手に取るとAINEである人物とチャットを開始した。
ワンユウ:今晩は。ちょっとお話があるんですが
作者:犬飼君、どうしたの?
ワンユウ:この物語の設定にいつの間にか『ハーレム』が追加されてるんですけど、こんなの最近まで無かったですよね?
作者:それは先日追加したんだよ。読者さんからハーレム展開になるならタグにハーレムあったほうが良いって感想貰ってさ。確かにそうだよなと思って。ほら、ハーレム展開苦手な人もいるしさ
ワンユウ:なーる……ってちょっと待った!! つまりあれか、この物語ハーレム展開になるのか? 俺とガブリエールの純愛物語じゃなかったの?
作者:いやさ、最初はそのつもりで始めたんだけどさ。ほら、何度も言ったけどストーリーを大幅変更したでしょ。当初は君とガブが最終話で結ばれてルーシーがワンユウ諦めないゾって感じで終わる流れだったんだよ。それが割と序盤でガブとカップリングする展開に変更したからルーシーの諦めない展開を今やってるという訳で……あれだよ、最初はバラ〇ス倒して終了の予定が、すぐに倒しちゃったんでゾ〇マ倒しに行く途中みたいな感じだよ
ワンユウ:人の人生をゲームで例えるなーーーーーー!!! しかも盛大にネタバレしてんじゃん!!
作者:この物語の読者さん、皆勘が鋭いから既にワンユウとガブリエールとルーシーの三人カップリング展開で行くんだろうなって確信してるよ。それよりも申し訳ないんだけどちょっとストーリー的に凡ミスしちゃって。今回ルーシーの件は一旦置いといて凡ミス挽回の話になるから。今、その続き書いてて忙しいから。じゃっ!
「え? ちょ、ま……最近某デスゲームみたいにVR型MMORPGで遊んだり、酒カスAIで好き勝手やってたのに凡ミス? 何か怖いな……」
今回何が起きるのだろうと戦々恐々としているとAINEの着信音が鳴った。作者が何か言い忘れたのかと思い確認するとロキからだった。
ガブちゃん愛してるグループ
ロキ:ワンユウちょっといいかしら?
ワンユウ:どうしたの?
ロキ:大丈夫だとは思うんだけど、一応確かめておいた方がいいと思って。あなたガブちゃんと付き合い始めてそろそろ一ヶ月でしょ? 一ヶ月記念デートの予定とかちゃんと立ててるのかなって。女性はそういう記念日関係大事だから
ワンユウ:デート……記念日……あ……あああ……ああああああさsdfdgf
ロキ:やっぱりね。どうせこの一ヶ月ろくにデートもしてなかったんでしょ?
ワンユウ:どどどどどどどどどどどうしよう!!! 彼女が出来たからそれで満足して……凡ミスってこれの事だぁぁぁぁぁぁぁぁ!! デート回が無かったよ、そう言えば!!
ホワリバ:あーあ
ライト:ワンユウ、やっちまったな
アータ:「酷いわ、ワンユウさん。あなた私の身体だけが目当てだったのね!!」ってガブちゃんに言われるぞ
ジン:ある意味お家デートは重ねていた訳か
ブラテン:確かにね。でもこれはさすがにマズいよ、ワンユウ
ロキ:そうね。お互い忙しいとは思うけど、たまには外出して思い出作りしないと
ワンユウ:……どなたかデートに関して知恵を授けてくださいませんか? この無知で愚かな馬鹿者にどうかデートなるものの知恵を……。デートって具体的にどうすればいいの?
ホワリバ:……知らない
ジン:……分からんな
アータ:俺、高校生だから……そういうのはまだ早いっていうか……
ライト:
ワンユウ:ありがとう! 宇治宇治天国……ね。……ってこれ京都の店やんけ!!
ライト:俺が関東の店を知ってる訳ないだろ
ホワリバ:それじゃ何故に店を紹介した!?
アータ:きっと俺、ジン、ホワリバとは違ってリア充っぽい感じをアピールしたかったんだろうぜ
ジン:姑息だな
ライト:悪かったな! そうだよ、ちょっと魔が差したんだよ!!
ロキ:そうねぇ、私の場合は仕事の前に一緒に食事やショッピングしたり仕事が終わった後はバーや居酒屋で飲み直す感じかしら?
ホワリバ:それは夜のお仕事の方の同伴とアフターの話なのでは?
ブラテン:初めてのデートなら映画とか水族館がおすすめかな。その後、食事をして帰宅でいいと思うよ
ワンユウ:ありがとう、さすがブラテン先生!! 皆も考えてくれてありがとう
さて、ここからは自分で考えないと。デートプラン全てを誰かに考えて貰うのは違うからな。
「映画と水族館かぁ……水族館って家族やカップルで行く印象があったからあまり行ったこと無いな。折角だから、今回は水族館にしてみようかな。となると食事……フランス料理とか?」
試しにフランス料理店で検索してメニューを見てみると馴染みのない名前ばかりでどういう料理なのかさっぱり分からない。コースも色々あるので今一把握できない。
困惑しているといつの間にか今日のガブリエールの配信の時間が近づいていた。今回は五期生のフェン・アイシクルと四期生のノーム・ガーネットとのオフコラボだ。
フェンは主に料理配信やホテルビュッフェ配信を行っている。ホテルビュッフェとはホテルのレストランの料理をバイキングスタイルで楽しめるというものだ。一般の食べ放題より少々値段はするが、レストランで提供されるローストビーフや各種ケーキなど素敵な料理を何度も楽しめる。
『こんわお~ん! ぶいなろっ!!五期生レジェンドビーストのフェンリル、フェン・アイシクルだよ~』
『こんどわー! 四期生アナザーレイスのドワーフ、ノーム・ガーネットだぜ!』
『こんがぶ~、六期生ゴッド&デビルの天使、ガブリエール・ソレイユでーす!』
『『『三人揃って、腹ぺこ探検隊でーーーーーーす!!!』』』
ちなみにこの三人はぶいなろっ!!メンバーの中でもよく食べる事で知られている。
今では今回のようにフェンのホテルビュッフェの説明を聞いて食欲を刺激された後に彼女の手料理を三人で食べるというのがお約束になっている。
ああ、腹減った……。
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