第41配信 夢で逢えたら 温泉編③
俺とガブリエールの唇が触れ合う寸前で互いにそっと目を閉じる。そして唇に温かい……いや、なんか熱いものが当たって……。
「あっつぅぅぅぅぅ!! 熱ッ、あっつ、あ……どう言うことぉぉぉぉぉ!?」
目を開けて俺の唇に触れているものを確認すると熱々の肉だった。
目の前には、ぐつぐつと具材が煮えている鍋や刺身の盛り合わせ、天ぷらなど豪勢な料理の数々がテーブルいっぱいに並べられている。
テーブルを挟んだ向かい側には苦笑いをしているガブリエールが座っていた。
「どうやら、センシティブ過ぎると言う事でBANされちゃったみたいですね」
「BANされた!? くっ、いやまあ少し冷静になって考えればあり得るか……」
乳首や下のゾーンに謎の光の規制が入るのなら、二人共素っ裸でこれからハッスル展開になりそうだとなればBANされてもおかしくは無い。
ただ、今回はそれで終了とはならずまだ続きがあるらしい。二人共浴衣を着て夕食タイムに突入していた。
「せっかくですし頂きましょう。今ワンユウさんが食べようとしていたのはしゃぶしゃぶのお肉みたいですよ」
「本当だ。しゃぶしゃぶかぁ、最近食べてなかったな。……もぐ、もぐ、ごく……うまっ!」
先程俺の唇を焼きそうになったしゃぶしゃぶの肉をポン酢に浸けて食べると凄く美味しかった。ポン酢でさっぱりしているし幾らでも食べられそうな気がする。
夢ではあるけれどこうして食べ物を美味しいと感じられるのは非常にありがたい。さっきBANされた腹いせに暴飲暴食したろ。
「ガブってこの料理の中だと何が一番好きなの?」
「え~、どれも美味しそうなので選べないですよ。でも、どうしても選ぶのなら天ぷらですね。サクサクした食感が好きなんです。日本人で良かったですぅ」
「分かる。天ぷらのあの歯触りは最高だもんな」
天ぷらか……そう言えばつい最近蕎麦屋で食べたな。太田さんも美味しそうに食べていたし女性人気があるのかも知れない。そう言えば彼女もサクサクした食感が好きだと言っていた気がする。
そこからは二人共会話を挟みつつ食事に没頭する。ガブリエールは食べる事が好きみたいで実に見事な食べっぷりだ。見ていて気持ちが良い。
すると俺の視線に気が付いたガブリエールの手が止まった。
「どうかした? お腹いっぱいになった?」
「い、いいえ……その……今、この女よく食べるなって思いませんでした?」
「思ったよ? ガブの食いっぷりが良いと、俺も一緒に食べていて楽しいよ」
「うう……もう、いっぱい食べちゃいますから!」
吹っ切れたガブリエールは一層食事に集中し俺も負けじと食べ進める。ん? 何かこの感覚、最近どこかで経験した気がするが……まあ、いっか。
食事の中には日本酒もあり二人で酌み交わす。夢だけどアルコールが効いてるのか良い気分になってきた。
ガブリエールも目がとろんとしていて明らかに酔っている。浴衣が少し着崩れ左肩が露わになっていて、その色っぽさに目が奪われる。
「ガブはお酒も結構いけるんだね。俺より飲んだだろ?」
「へへへぇ~、おしゃけはシュキなんでしゅ~。でも、酔っ払ってメチャメチャになっちゃうのでぇ、飲酒配信はしましぇ~ん!」
「そう言えばガブは飲酒配信はしたことなかったな。そう言う理由があったのね」
何だろう。夢のハズなのにガブリエールとの会話にリアリティがあると言うか。まるで本物と話しているみたいだ。
飲酒配信した事ないとか俺が気づいていなかった事を説明してるし……。まさかとは思うが俺とガブリエール本人が一緒の夢を見ていたりして。……まさかねぇ?
「ワンユウしゃんはもうおしゃけは飲まないんでしゅか?」
「うーん、もうちょっと飲もうかな。あれ、おちょこ何処行ったかな?」
さっきまで俺が使っていたおちょこが見当たらず探しているとガブリエールがフフフと笑っている。この笑い方は何かよからぬ事を思いついた時のものだ。
「ワンユウしゃん専用のおちょこならここにありましゅよ。……うんしょ」
ガブリエールは浴衣の右側も少しはだけて肩を出すと胸を寄せて谷間にお酒を注いだ。これは……まさか……!!
「は~い、ワンユウしゃんお気に入りのおっぱいしゃかずきでしゅ~! ルーちゃん直伝でしゅよ」
「やっぱり、おっぱい杯か! まさかそれを飲めと!?」
「それ以外にこのさかじゅきの使い道がありましゅか?」
「ないですね! 頂きます!!」
今やぶいなろっ!!の伝説の一つに加えられたルーシーのソフトクリーム舐めおっぱい杯ASMR。センシティブ過ぎる理由でアーカイブに残らなかったあのASMRがより強力になって俺の目の前に現れた。
ルーシーのG
しかも、あのASMRではルーシー自身で杯内のクリームを飲んでいたのに対し今回はガブリエールの杯内の酒を俺が飲むと言う非常にけしからんプレイだ。
こんなどっかの悪い金持ちが考えそうな遊びをいち庶民の俺が実行して良いのか戸惑いはあるが、これは夢なのでセーフとしよう。
「ワンユウしゃん、おしゃけが熱いので早く飲んでくりゃはい」
「ご、ごめん! それじゃあ、頂きます。……ずずずずぞぞぞぞぞ!!」
「ひゃん! おっぱいも一緒に吸っちゃらめれすよぉ」
ごめん! でも確かに今唇に柔らかい何かが当たってた。何だこれ、夢だけど夢みたいなシチュエーションだ。もうエロ過ぎて酒の味なんて分かんねえよ!
何とか飲み干して後退すると目の前には桃色になったガブリエールの谷間がこんにちはしていた。その一部が赤くなっている事に気が付く。
「あはっ、ワンユウしゃんにキスマーク付けられちゃった。エッチィ~」
「これ俺が付けたの!? ごめんね! 許してください」
「どうしよっかな~。そうだ、もう一回飲んでくれたらゆるひましゅ。はい、おしゃけ注いでくりゃはい!」
「俺がやるの!?」
震える手で
「ひゃっ、ワンユウしゃんの欲張り~! いっぱい注ぎすぎれしゅよぅ。はい、どうぞ」
「うん、それじゃ……ずずずず……!」
さっきは勢いよく飲み過ぎてやらかしたので今度はゆっくり飲んでいく。飲みながらガブリエールの顔を見ると蕩けた目で俺を見下ろしていた。
「ワンユウさん、残りはわたひが飲んでもいいれすか?」
「ああ……」
彼女の胸の谷間には俺の飲みかけの酒が幾らか残っていて、俺が顔を離すとガブリエールは胸を持ち上げて残りを自ら飲み干していった。余りにも扇情的な光景に言葉を失ってしまう。
「うん……ちゅるる……ぢゅ……ぢゅるるるる……!! っぷはぁっ! 美味しかったでしゅ」
ガブリエールの豪快かつエロティックな飲みっぷりに俺は只々圧倒されるばかりだった。
この夢の間に彼女は今まで見せた事の無い姿をたくさん俺に見せてくれた。よく知っているハズの彼女の未知の姿にドキドキされっぱなしだ。それが例え夢であったとしても。
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