第11話 あたふた?しただと!?
「わたし、宝以上に大切なものを奪われてしまったかもこれは運命というやつかもしれないわ。ねぇ?だ・ん・な・さ・ま」
はい?
「いきなりどうしたんだ?エリス」
「恋は戦争なの、そして先に獲物を取ったほうが勝者。つまり、リリーアとクルアはまだ結婚していないということは、私がクルアを貰っても問題ない!!うふふふふっ」
エリスの突然の宣言に、俺は完全に混乱していた。しかし、その瞬間にリリーアが声を張り上げた。
「はああぁぁぁ!?なに言ってんの?わたしのクルアに決まってんでしょうがあぁぁぁー。こちとら身体触れてるんですけどぉぉぉー?」
その言葉に、俺はさらに動揺を隠せなかった。リリーアが俺の仲間「ハーレム」で、彼女がこんなに激しく主張するのは初めてだった。
「ちょ、ちょっと待て、リリーア、エリス、いきなりどうしたんだ?」俺は二人に問いかけた。
エリスは冷静な表情を保ちながらも、その瞳には決意が宿っていた。「クルア、私はあなたを見てきた。冷静で知識に溢れ、私たちのリーダーとしてふさわしい存在。だからこそ、あなたを手に入れるためなら、何でもする覚悟があるの」
リリーアは一歩も引かず、「クルアと私は身体を触ったことががあるの。彼のことを一番理解しているのは私だから。わかる?一番よ!!エリス、いくらあんたが魔法に優れてても、クルアの心は私のものなんだから」
その緊迫した雰囲気に、マリナとティアナも静かに聞き入っていた。だが、マリナはやや呆れた表情で俺に囁いた。
「クルア、あんた、モテモテだね。どうするつもり?」
「いや、俺にもよく分からないんだ…」と俺は答えた。
ついに
俺のハーレム時代がきたぜぇぇぇきやふいぃぃぃぃ!!とは口が裂けても言えません。
ティアナも微笑んだ。
「クルアがみんなに愛されているのは事実ね。でも、私はあんたの決断を待つだけさ」
俺は頭を抱えながら、どうすればこの場を収められるのかを考えた。エリスとリリーアの視線が交差し、まるで火花が散っているかのようだった。
「待ってくれ、皆。俺の気持ちをちゃんと聞いてほしい」と俺は言った。
その言葉に、全員が静かになり、俺に注目した。俺は深呼吸をして、自分の気持ちを整理しようとした。
「確かに、リリーアの身体を触ったことがある。そしてエリス、君の知識と冷静さにはいつも助けられている。マリナ、君の剣術と勇気、ティアナ、君の機敏な動きと情報収集能力、それぞれに感謝している。そして、君たち全員が俺にとって大切な仲間なんだ」
エリスは少し不満そうに、
「仲間以上の関係にはなれないの?」と聞いた。
「それは…そのなんというか」
とても言いづらい。
オッケー。みんな俺のハーレム!!なんて言えたら最高なんだけどさ。
エリスは微笑んで、
「私は諦めないわ。クルアがどんな選択をするにしても、私はあなたを支えるつもりだから」
エリスの微笑みに俺は心が揺れた。
だが、その瞬間、リリーアが俺の腕にぎゅっとしがみついてきた。
「わたしのよ!!」
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