第8話 このポーションは?危険だと!?

 ある日のこと、俺たちは薬草採取のクエストをこなしていた。


 ティアナが森の中で珍しい薬草を見つけ、それを使ってエリスが強力なポーションを作り上げた。マリナたちはそのポーションを使ってみた日のことだ。


 薬草採取を終えた夜の静けさの中、俺は一人で寝ていたはずだった。


 キャンプファイヤーの残り火が揺らめき、周囲は静寂に包まれていた。だが、突然目が覚めると、妙な気配を感じた。目を開けると、視界にはリリーア、マリナ、エリス、そしてティアナがいた。彼女たちはなぜか荒い息をしており、頬が紅潮している。


「み、みんな、どうしたんだ?」


 俺の声に反応して、リリーアが微笑みながら近づいてきた。その瞳はいつもと違う、何か熱を帯びた輝きを持っていた。


「クルア…ごめんなさい。でも、私たち、もう我慢できないみたいなの。どうしてかしら」


 彼女の手が俺の頬に触れ、その手の熱さが伝わってくる。リリーアの息遣いが耳元で響き、俺の心臓は高鳴った。彼女の近くにいることで、俺の体温も上がっていくのが分かった。


「リリーア…どうして…」


 言葉が詰まった瞬間、マリナがすぐ隣に腰を下ろし、俺の手を握りしめた。彼女の力強い手のひらからも、熱が伝わってくる。


「クルア、あんたは私たちにとって特別な存在なの。今日は、その気持ちを伝えたくて…」


 エリスもゆっくりと近づき、その柔らかな笑顔が俺の視界を埋めた。彼女の手は俺の胸に触れ、その感触に心が揺れた。


「クルア、このポーションには、特別な効果があったみたい。あなたのことが好きな気持ちが、抑えきれなくなってしまったの。」


 最後にティアナが俺の背後からそっと抱きついた。彼女の細い腕が俺の体を包み込み、その温もりが全身に広がる。


「クルア、今日は私たちに委ねて。あなたのを私たちにちょうだい」


 その言葉に、俺の心は強く揺さぶられた。彼女たちの気持ちを無下にすることはできない。しかし、この状況にどう対処すべきか分からなかった。


「みんな、待ってくれ。この状況は…」


 俺が言葉を紡ぐ前に、リリーアが唇を俺の唇に重ねた。彼女の唇の柔らかさと、その熱に、俺の思考は一瞬停止した。キスが深まるにつれ、リリーアの情熱が直接伝わってくる。


 その後、マリナが俺の腕を引き寄せ、耳元で囁いた。


「クルア、あなたをこんなに近くで感じられるのが幸せなの。」


 エリスは俺の背中を撫で、ゆっくりと体を密着させた。その感触に、俺の心はさらに揺さぶられる。ティアナは俺の背後から、優しく首筋にキスを落とした。その甘い刺激に、体は自然と反応してしまう。


「みんな、みんな、本当に…どうしたー!!」


 リリーアは再び俺の唇を求め、マリナは強く抱きしめ、エリスは体を寄せ合い、ティアナは首筋を愛撫してくれる。その一瞬一瞬が、俺の心と体を熱くしていく。


 その夜、リリーアの柔らかな手、マリナの力強い抱擁、エリスの優しい囁き、ティアナの甘いキス。その全てが、俺の心に深く刻まれた。


 夜が明ける頃、俺は疲れ果てて、互いに寄り添いながら眠りについた。リリーアの髪の香り、マリナの温もり、エリスの優しさ、ティアナの甘さ。その全てが俺を包み込み、俺を眠れなくした。


 翌朝、陽の光が差し込む中で目を覚ました時、彼女たちの顔を見ると、その瞳には昨夜の熱が残っていた。リリーアは微笑み、マリナは優しく見つめ、エリスは静かに微笑み、ティアナは恥ずかしそうに目を逸らした。


「おはよう、みんな」


「「昨夜のことは忘れてください」」


 一瞬の沈黙の後、俺は笑いを堪えきれなかった。彼女たちの照れた表情があまりにも愛おしかったからだ。


「みんな、大丈夫だよ。忘れられるわけないだろう?」


 その言葉に、彼女たちはさらに赤面しながらも、少し安心したように見えた。


 リリーアが小さく笑いながら言った。「クルア、今日は普通の一日を過ごしましょう。私たち、もう少しで次の目的地に着くんだから。」


 俺たちは再び旅の準備を整え、キャンプを片付け始めた。マリナは焚き火の跡を整え、エリスは道具を整理し、ティアナは周囲の安全を確認していた。


「さあ、みんな、行こうか。」俺が声をかけると、彼女たちは力強く頷いた。


 昨夜の出来事は確かに予想外だったが、俺たちの絆を深めるきっかけとなった。そして、俺たちは新たな冒険へと歩みを進めていった。

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