第13話 新たな悲劇

トイレに向かいながらチラッと見に行くと、お酒でテンション上がりまくってるリーがそこには居た。王様ゲームをしていたのか、割り箸を一人ずつ引いてキャーキャー騒いでいた。女の子2人と男4人でワイワイしるのを目撃し、静かにトイレへ向かった。お酒が回っていたのに、やけに冷静だった。真っ赤になった顔で化粧を直して、自分のテーブルへと向かった。


ニアとカイリーは強張った顔で心配していた。私は失笑しながら、

「やっぱリーだった(笑)」と一言。二人はボロクソに私の代わりに暴言を吐いてくれて、「あんな奴忘れてうちらもいい男探そう!」ってニアがギュッとしてくれた。

「男は当分いいかなー?(笑)一人身も楽しみたいし!」といいながら騒いでいた。すると背後からリーの友達とリーが立っていて、表に呼ばれた。


リーの友達は「ごめん。アレは誤解!俺が狙っている女の子で付き添ってもらってたの。」私は首をかしげながら、「そうなんだ。頑張ってね。」と答えガン見した。リーはやっぱり謝るばかりで、私はため息をつきながら入口前の椅子に座った。


「別に興味ないし、勝手に遊んでくれて構わないからせっかくの私の友達との時間潰さないで。」とだけ答えてテーブルに戻った。


その日私は家に帰らず、彼女たちと3人でラブホをとって朝まで呑んだ。

2日酔いした状態で家に帰るとお酒の匂いをプンプンさせながら、リーはイビキをかいて呑気に寝ていた。私も疲れたから普通に寝てたら突然リーの携帯にメッセージが。


「え?」


正直、浮気なんて、どんな男でもするだろうと腹をくくっていたから、知らんふりする事にしていた。だけど来た通知は、通帳残高3ドル。


そして、届いた通知は海外式のギャンブルだった。

再来週には、半年分の家賃を払わなければならなかった私たち。

外国人の私は、通帳を2つも3つも作る事が難しかった為、リーの空きの通帳を借りて、家賃用に貯めていたお金だった。


叩き起こして、ブチぎれた私。

彼はお酒がきれてなかったのもあって、逆切れし始めた。


「お前俺の事なめてんだろう?」


初めて私はDVを受けた。

サッカーボールを蹴るかのように顔を踏みつけ蹴りつけられた。

運動部だった私は人一倍力もある方で、ここまで男と女って力の差があるんだということを初めて思い知った。いつの間にか気絶した。そして起きた時は5分ー10分の出来事だったと気づく。ここまで何の抵抗もできず殴られ続けると、1分って数時間のように感じるんだと知った。

リーは真っ青な顔をした状態で私を痛々しく見ていた。

そして泣き出してまた謝り始めた。


鏡を見ると顔がパンパンに腫れて整形費用ってどれくらいするんだろうって真っ先に悩むほどだった。目は真っ赤に充血して(多分目の血管が切れてた)、顔が1.5倍は大きくなっていて、外に出た瞬間多分警察沙汰になるレベルだった。

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