第12話 呑み屋

いつもより張り切って作ったご飯。

リーの大好物なものばかり。

リーの仕事の帰りをひたすらに待っていた時、電話が鳴った。


「俺今日朝帰りになると思う。仕事先の先輩の家に遊びに行くんだけど、結構距離とかもあるから始発で帰るよ。ご飯とか作っちゃってた?」


「作っちゃってたし、毎年記念日にはデートとかしてたから、今日も普通に準備しちゃってた。」


「あ、ごめん。でも約束しちゃったから、明日祝おう。」


特に言う事もなく切った電話。

私は直ぐに学校の仲いい友達に連絡した。

華金だから新しくできた呑み屋に行くことに。


フルメイクでお洒落して、気持ちを紛らわすかのように念入りに準備して家を出た。

夜11時頃。

1次会を終えて、新しく出来た呑み屋に行くには丁度いい時間となった。

市内は学校の先輩や友達、そしてリーの友達にも会う位狭い街。


目的地に着くと、クラブミュージックが出ている派手でうるさいお店だった。

女3人で遊んでいるとナンパは盛んにあってリーに罪悪感が溜まるばかりだった。

友達2人も彼氏は皆いた状態だったから私たちで遊ぶんでと断って、飲みまくっていた。


仲良くなって間もない友達、ニアはお酒が酔うに連れて羽目を外しだし、隣のテーブルに絡むようになった。それからイケメン一人がこっちのテーブルに来て、ニアによかったら一緒に遊ぼうと誘った。


私と残った友達、カイリーは二人で残る事にした。

元々ニアは彼氏の他にセフレもいる子だったのもあって、またかと思いながら、イケメンのテーブルに行って遊ぶのに驚きもしなかった。

普段より早く帰ってきたニア。

一気にお酒が覚めたかのように、一言。


「ナンパされたテーブル、リーがいるテーブルの隣だった。」





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