第10話 決断
体調不調でベットから動く事さえ無理だった。
3日間吐き続け、初めて妊婦の大変さを知った。
3日で限界が来て、お母さんに打ち明ける事を決意した。
日本にいるお母さんはあまりにも衝撃を受けて電話越しで倒れてしまった。
その隣に居たお父さんは、激怒し直ぐにこっちへ来ると飛行機のチケットを購入。
次の日の早朝の便で到着し、大きな話し合いをする事に。
3人の話し合いの後、カフェで少し離れたテーブルでお母さんと待っていて、リーとお父さんは男同士で話し合いになった。
数時間経って、リーと私の二人で話すようにとお父さんは席を外れた。
リーがいうには、今の状況で産むのは、私たちにはあまりにも準備が足りていないということ。そしてそんな親の元で育つ子供が本当に可哀そうだという事。
何よりちゃんと働いていも居ない私に責任を持てるのかという事。
涙ながらの長時間の話し合いの結果、下す事に決断した。
病院へ行く日、互いのサインを得て、冷たい手術台に一人乗った。
リーは仕事で付き添うことができなかった。
お父さんは一緒に傍に言ったが断わった。これ以上泣かせたくなかったし、辛そうな姿を見られたくなかったから。
小学生の頃、扁桃腺の手術や盲腸の手術、そして高熱が続き 流行性脳炎という脊髄と脳に水が溜まり、緊急で病院通いだった私だった。
病院には慣れていて、どれだけ症状が悪かった時でも平気だったなのに、この日は無性に怖かった。
数十分後、麻酔が消えてから涙が出た。
5分程度の軽い手術。麻酔が消えたと同時に悪阻が無くなった。
人殺しになった気分で罪悪感が込み上げてきた。
私が一番今までで自分の事を嫌いになった日だった。
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