第9話 発覚

インターンが決まり、私がいる地域から飛行機乗って30分距離の都会へと秋から行くことになった。外国人の中でも学校の単位が良かったため、奨学金を今まで逃さず通った為、インターンもすんなりと決まった。


頑張れば報われる。

今まで運動しかしてこなかった私は勉強のべの字も知らない子で、大学入試の為に勉強を死ぬ気でやっていた。高校3年生の頃から習慣がついて、人一倍時間をかけてやればなんでもできるという希望を持っていた。


そんなある時、体調が優れない日々が続いた。

熱と吐き気で風邪かと思っていたのが、まさかの妊娠発覚。

信じられなかった。

私は月経困難症で生理痛があまりに激しい上に血の量が人一倍多くて、貧血持ちだった。だからループという子宮内避妊具をつけていて、月経痛の治療目的で保険を使って装着していたからだ。コンドーム以上の効果を持つループは、ほぼ妊娠しないと聞いていて、結果2年半が過ぎるこの頃までしっかり避妊道具の役割をしていたのだから。


正確な検査の為、病院へ行った。

やっぱり妊娠は間違いなかった。そしてループの位置があまりにもひどい過度な不正出血で位置が少しずれていたとか。頭が真っ白になっている時先生から、次はミレーナというループをお勧めするとの事。ミレーナは出血自体も少なくする効果もあるという事を淡々と説明された。


頭に入ってくるわけでもなく、おめでとうございますという言葉が素直に嬉しく思うこともできず不安でいっぱいになっていた。


リーに報告した途端、一人とっても喜んでいた。

私は涙を流しながら、信頼関係もちゃんと成り立ってないあなたと結婚、ましては子供を育てるなんて…と泣くばかり。

いくら成人しているにしても、大学生で妊娠は早すぎると困惑。

しかし、酷い悪阻は私のお腹の中に一つの生命を育んでいるのだと思い知らされていた。こいつとの結婚は後回しで、私一人ででも育てようという気持ちでいっぱいだった。


超音波の写真にはボールペンで句読点のように小さくて小さい〇だった。


なぜなら病院での第一声は「おめでとうございます。受精して10日目になると思われます。」だった。この時点でひどい悪阻がある私は、体の変化にとても敏感で、とても苦労するだろうと言われていた。普通は2-3カ月経って気づくものだとか…。


写真では実感できなかったけれど、体はしっかり感じとっていた。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る