祭りの後に、、、

海翔

第1話

 館山の夏も本格的になり、太陽が燦々と輝き暑い日が続いていた。

今年も盆の時期になると、みんなこの町に戻ってくる。

懐かしい人に会えるのもこの時期ならではのことだった。

 砂井まどか21歳、6年ぶりに中学のクラスメートに会える。

まどかは14歳の時に父親の都合で日本を離れドイツで過ごした。

その後、父親の仕事が本社、東京に戻ったので大学は東京の大学に入った。

こんな降り、中学のクラスメートの理沙より招待状が送られて、クラス会に参加することにした。

 クラス会は8月8日だったが、予定より早く6日の昼にこの街に来た。

まどかがクラス会に参加することを聞いて、父は知り合いのホテルの社長に8日まで居られるようにしてくれた。

まどかはその間にクラスメートの理沙、真由、友美と会う約束をしていたので、

さっそくホテルに荷物を置き、理沙に電話して会うことにした。

その時にどうせなら水着で泳ごうということになり、真由と友美も誘うことにした。

 30分後に北条海岸で待ち合わせて6年ぶりに再会した。

みんな6年前に比べたら女性らしくなっていた。さっそく、海の家で水着に着替えながら近況を話した。

 理沙と友美は東京の大学に入っていた。

真由は高校を出て父親の会社のサポートをしていた。

まどかは「私の今行ってる大学は理沙の大学の近くです。今度そちらの大学に遊びに行きますよ」

そういって、水着に着替えた。みんなきわどいビキニの水着でビックリしたように真由は話した。

「みんな大胆なんですね」

友美さんは「まぁ、夏ですから、、、」

 まどかは「そういえば、功一さんの近況知りませんか?」

そういったら、理沙さんが「今回のクラス会の幹事は功一さんです。クラス会に功一さん来ますよ」

まどかは功一に会えることに期待を膨らませた。

 真由は「まどか、功一さんと何かあったの?」

まどかは「中学時代の初恋の人です」

それを聴いてみんなビックリした。

 みんなはまどかは黒川さんかと思っていたので、まどかは黒川さんは「ただの友達です。高校の途中までは功一さんとメールで話していたんですが、大学に入るときにメールが来なくなってしまったの。

お互い大学入試で大変な時期だったのでそれもあるのかも、、、」

「功一さんはすごく大好きな人でした。実は14歳の時に父親の都合で日本を離れるときに功一さんに処女をあげたの」

 それを聞いたみんなはビックリして「こんな早く経験したんですか、、、」

まどかは「好きな人にあげようと決めていたの」と話してくれた。

理沙は「私は高校を卒業の時に好きな人にあげた」

友美は「私は高校2年の時に家庭教師の人にあげたの」

理沙は「真由さんは?」

そう言われ真由は「私は、、、まだ、、処女なの。母親から結婚するまで守りなさいと言われ、、、」

 まどかは「人それぞれだからそれもいいのかと思います。好きでもない人にあげるよりははるかにいいのかも、、」

そう言われ真由は安堵した。

 4人の女性がシートを敷いていると、3人の男性が来て「一緒に泳ぎませんか?」と言われ、よく顔を見たら、黒川さんで理沙は「あぁ、、、黒ちゃん」と言ったら、お互い見合わせ「理沙かよ、、」何とクラスメートにばったり会ってしまった。

 理沙は「黒ちゃん、阿部ちゃん、山田君でしょ」

そう言われ「うんうん」とうなずいた。

黒ちゃんは「理沙の隣が友美、隣が誰だっけ?その隣が真由ちゃん」

理沙は「この人誰でしょうね?」

 しばらくして「まどかです」と言われ「久しぶりです。黒ちゃんわかりますか?」

黒ちゃんは「あんまり綺麗なもんで解らなかったよ」

阿部ちゃんは「久々に会えたね」

理沙は「まどかは今回はクラス会で誘ったの」

「そうだったんですか」

 黒ちゃんは「それにしてもみんな女らしくなったんですね。そういえばみんなまだ独身でしょ」

「まだ、結婚はしていないよ」

彼氏または彼女がいる人と言ったら誰も手をあげなかった。

阿部ちゃんが「これはクラス会が楽しみだ」と言った。

友美さんは「どうして?」と聞いたら、

「新しいカップルが出来るかも、、、まあ、可能性を信じますよ」

そういって7人は海に泳ぎに行った。

さすがに男性は女性のビキニのバストが気になってしまった。

夕方まで泳いで男性と別れて、まどか達は海の家でシャワーを浴びて着替えてホテルに向かった。

ホテルに着いて真由と別れて、理沙と友美の3人で部屋で過ごした。まどかはこのまま別れるのが辛かったので二人にこのまま過ごすように提案したら二人は喜んで了解してくれた。

 久々に会った二人なので夜遅くまで話はつきなかった。

特に二人は功一のことが気になっていた。

まどかの初めての相手だけに、、、友美は気になったらどうしても聞きたくなり、

まどかに「初めての時はどうでしたか?」

 そう聞かれ「まどかは私たち中学生だったでしょ。夏の花火の日に最後のデートしたの花火を見ながら色々話してそして、最後の花火が上がる頃に功一さんに私が好きだったらキスして下さいと言ったら、大きな花火が上がった頃に功一さんが私にキスしてくれたの。

それで私決めたの、彼に処女をあげようと,でも、初めてなだけに私は功一さんにすべて任せたんだけど、彼も初めてなだけにどうやるのかわからず、お互い裸になるだけでも恥ずかしかったの。でも、私にとっては功一さんと居るのが最後だったので勇気を振り絞って、着ているものをすべて脱いだの、そうしたら、功一さんも脱いでくれたの、始めてみる彼のヌードに私興奮したは、そして、彼に抱きついて口づけをしたの、後は見よう見まねで、彼に抱かれたの。さすがに1回ではうまくいかなかったけれど、2回目に処女を喪失したの。

その時、私は好きな彼に処女をあげたことがすごーく嬉しかった、涙もたくさん出てしまった。彼はビックリしたけど、私はすごく嬉しかったと話したら彼は安心してくれた。今回彼に会えるのはすごく楽しみなの、、、」

 理沙は「中学時代にこんなことがあったとは知らなかった」

「それだけ二人には純粋な愛だったのね」

 友美さんは「功一さんに会ったら当てられてしまいますね」そういって、話がついたところで眠りに着いた。


 朝起きると、窓には太陽が燦々と輝いていた。3人はひとまずシャワーを浴びて眠気を取り、理沙と友美は自宅に帰った。

夕方クラス会会場で会う約束をして別れた。

 まどかはホテルで朝食を取り、ゆっくりとした時間をホテルで過ごした。昼頃から北条海岸で肌を焼き3時頃にホテルに戻って部屋でシャワーを浴びて、夕方からのクラス会の準備をしていた。

 5時になり、割烹料理屋のさざなみにクラスメートが集まってきた。

まどかが店に着いたら理沙が迎えに来て、隣に座るように勧めてくれたのでそれにしたがった。

しばらくしたら「黒ちゃん、阿部ちゃん、山田さんが昨日はどうも今日は楽しんで時間を過ごしてください」とまどかに言った。

 そして、会が始まる20分前に幹事の功一がやって来た。

透かさず理沙が功一を呼んで、今回のゲストのまどかを紹介した。

そして、まどかの隣に席を作ってくれた。

 まどかは「お久しぶり」と言ったら、

功一も「元気でしたか?連絡取れずにすみませんでした」

それから昔話で花を咲かせた。

 時間になり、幹事の挨拶から始まった「今回は男性20名、女性23名が集まりました。特に今回、中学二年に転校したまどかさんにも来てもらいありがとうございました。まどかさん一言、、」

 まどかは「中学二年で別れ、6年ぶりに再会できて嬉しい限りです。現在東京の大学に行っています。何かの折りに会えることがありましたらよろしくお願いします」そういって挨拶にした。

 そしてクラス会は昔話で盛り上がって時間が過ぎていった。みんな久々に会ったことから携帯の番号とアドレスの交換をしている人が多かった。まどかも功一に電話番号とアドレスの交換をした。

 窓の外では大きな花火がうち上がりみんな感激していた。

そして、会が終わる頃にまどかはメールで功一に「明日、東京に帰ります。もしよかったらホテルに来てください。そうメールして会を後にした。


 まどかがホテルに着いて10分後に功一から電話があり、これからそちらにいきますと連絡があった。

それから15分後に功一はまどかの部屋を訪れた。

まどかは功一を見るなり、抱きついて口づけをした。

功一は何も言わずその口づけを受けた。

 そして「まどかにもう会えないかなと思っていた。大学に入った時にまどかからのメールが途絶えたので新しい彼氏ができたのかと思いそのままにして自分もサークルで新しい彼女を作った.。でも、やはり、まどかが気になっていた。もし、まどかに付き合っている人がいなければ改めて付き合いたい」

 それを聞いてまどかは目に涙を溜めて「私も功一さんと付き合いたい」と抱きついた。

功一は抱き締めながらまどかの着ているものを脱がし始めたが、まどかは「恥ずかしい」と言って浴室から消えた。

功一は「あの時と同じだね」と言って、功一も裸になって浴室に向かった。中でまどかがシャワーを浴びていてそこに功一が入ってきたので、シャワーの水を掛けてやったら「気持ちいい」と言って、一緒に浴びた。

 中学の時と違いまどかの体は女性らしく膨らみをもった綺麗な体になり、バストは上を向いて均整がとれていた。二人はバスタオルで拭いて、ベッドに向かった。

 二人は全裸になり、6年ぶりの思いを込めて抱き合った。

あの時は見よう見まねだったが今はその時を刻みながら深く二人は愛し合った。

まどかは「クラス会の時に大きな花火が上がったでしょ。あの時に功一さんから口づけをされたことを思い出して目頭が熱くなってしまったの、こうやって功一さんにまた会えるのが夢のようだった」そういいながら、まどかは目に涙を溜めていた。

功一はまどかを抱きしめて「もう離さないよ」と言った。

そして、功一の腕枕でまどかは眠りについた。


 翌朝まどかが起きた頃には功一は隣に居なかった。そして机の上に1枚の紙が置かれていた。


 まどかさまへ  

 6年間寂しい思いさせてごめんね。

私もいろんなことがあり、恋愛もしましたが、君ほど素敵な人はいませんでした。

このクラス会であなたに会えてあの時が思い出されてきました。

あの純粋な君の愛を受け入れ自分をもう一度取り戻したいと思います。

今度は東京で大人の恋をしましょう。   

                        君に会えてよかったです。功一

 これを読んでまどかは涙を流して、うんうんと心の中で返事をした。

そして、シャワーを浴びて、帰り支度をした。


 館山を離れるときに理沙に電話して「今回のクラス会誘ってくれてありがとうございました。功一さんとまた付き会うことにしました」

それを聞いて、理沙は「よかったですね。お二人とも幸せに」と言って電話は切れた。


 今日も館山の海は太陽が燦々と輝いて、さざなみが立っていた。

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祭りの後に、、、 海翔 @ukon9

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