舞霊脅かし日和

釣ール

刀か鎌か

 今どき失恋で恨むなんて遅れてるとか言わせないよ。


 今日も農具のうぐから物騒な物をあさる。

 田舎者ってこういう時に得をする。

 勿論この後出ていくわけだけれど。


 足跡残せば水溜まりが音を伝って内面の糸電話に伝わっていく。


 毛まで許せば欲しがる感情限定せざるをえず。

 魂荒ぶれば恨みが手に汗を握らせる。


 ワンナイト踊ったあとのヤツの楽しそうな顔は今まで絶対他の誰にも見せぬ一面なのかもしれない。


 涙すら流す暇を五寸釘ごすんくぎのように藁人形へたたく導線は繋がった。


 コン、コン、コンコンコン。

 そこにいるよと振り向けば


 あそこにいるよと声がする


 そして、こ こ に い る


 刀か鎌か迷った時はやはり釘と画鋲がびょう

 もう人間に恋するのはやめておこう。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

舞霊脅かし日和 釣ール @pixixy1O

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ