第19話 車での通勤途上、ガソリンスタンドで見た信じられぬ出来事の話

 これももう20年くらい前の話さ。


 当時俺は会社へは車で通勤していたのよ。

 でね、いつもの通勤ルートの途中に当時まだフルサービスのガソリンスタンドがあるのね。


 ある日、そのスタンド前を通りかかったら、スタンドからアルバイトのお兄ちゃんがタタタッ!と出て来て俺の車を左手で制した。


 お兄ちゃんは俺にペコリと小さく礼をして、後ろ手で給油を済ました客の車を道路へと誘導した。…まぁよくある風景だよ。

 当然俺は素直に待ってあげたよ。


 出て来たのは赤いコンパクトカー、若いお姉さんが運転して、俺の方を見ながらゆっくりと進んで来た。


 ところが!


 次の瞬間信じられないことが起きたのさ!

 

 何と!…誘導のお兄ちゃんはその車に轢かれてしまったのだ。


 「えっ⁉…」

 

 お兄ちゃんは背中から車に「コン!」と当たられ路面にパタンと倒れた。

 車のお姉さんは慌ててブレーキを踏んだみたいだけど、すでにお兄ちゃんの足には前輪タイヤが乗っかって、お兄ちゃんは倒れたきり動けない。

 お姉さんの表情を見たら、手で顔の両脇をはさみ、「ムンクの叫び」状態になっている。

 

 そしたらスタンドから別のお兄ちゃんが2人、パタパタと駆け付けて来た。

 そして「ムンクの叫び」状態のお姉さんにバックしろ!と指示を出し、ハッ!と我に返ったお姉さんは車を後退させてスタンドの中に戻った。


 轢かれたお兄ちゃんも駆け付けた2人に身体をズルズルと引きずられてスタンドの中に戻った。


 朝の通勤時間帯ゆえ、その時俺の後ろには後続車がずらずら並んでしまっていた。

 スタンドのお兄ちゃんとお姉さんはその後どうなったのか非常に気になった俺だったが、いかんせん確認のしようも無いまま、俺は車を発進させて会社へと向かうしかなかった…。


 

 って話でした。



 第19話   …う〜む!と思いつつ、完

 

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