第18話鬼と初海JK

ガヤガヤ


ガヤガヤ


「はぁー…」


はい皆さんこんにちは。


いきなりですが質問です。


私はどこにいるでしょーか。


ヒント。今の時期は夏でーす。


「海だよバカヤロウ。」


「誰に言ってんだ??」


「誰にでもない。熱くて気が狂いそう。」


「それならもう大丈夫だろ。」


大丈夫ってなにがよ。


どこも大丈夫じゃないのよ。


私は毎年、夏はクーラーの効いた部屋でアイスとかき氷嗜みながらカーテン締め切って本を読むのが楽しみだって言うのに。


この鬼のせいで…。


――回想。


5日前の昼時。


お昼ご飯(鬼お手製)を食べてのんびりしているこの時間に奴は来た。


「なぁー木葉。」


「…嫌。」


「なんも言ってねーじゃん。」


「その格好見てから言ってくれない?てかそれ、山なの海なの、どっち行きたいのよ。」


「どっちも。どっちかってーと海。」


海パンに浮き輪。シュノーケルつけて山菜籠持った変態。


それが現れたのだ。選択肢は3つ。


‎ ‎𐰷戦う


‎ ‎𐰷罵る(戦う)


‎ ‎𐰷戦う


うん。‎ ‎𐰷戦う←で決定。


バッサァァア!!!


「ぎゃぁぁ!!肌が焼ける!?なんだこりゃ!!なにぶちまけた!?」


「由緒正しいお寺でもらったお清めの塩。」


「殺す気か!?クソいてぇぇ!!!」


「本当に効果あるんだ。コレ。」


バタバタのたうち回ってお風呂に走って行って。


暫くした後、お風呂から出た鬼が普通の服に着替えて交渉に出てきた。


「海行きてぇ」


「行ってらっしゃい。」


「お前と!!海!!夏だぜ!?遊ぼーぜ!!」


「子供か?嫌よ熱い。勝手に行っとけば。」


知らん知らん。って言ってたのに。


なにが楽しくて塩まみれになるのよ。


だからシカトして本読んでればムッスーて顔で入院してた時の事を蒸し返してきやがった。


「あーあ。俺2週間、お前が入院してる間頑張ったのになー。」


「JKの下着に触れといてよく言うわ変態」


「不可抗力だろ!?そういう目で見てねぇよ!!」


「きゃー、ヘンターイ」


うぐぐってまーた悔しそうな顔して。


口で敵わないんだから言ってこなきゃいいのに。


海海!て喧しいったら。


「なぁー木葉。入院を持ち出したのは悪かったけどよ。行こーぜ、海。どーせ行ったことねーんだろ?」


「だからなによ。」


「たぶん楽しいぜ?こういうのは楽しめるうちに楽しんどくもんだ!」


「…」


「年取ってからいい人生だったって思いてーじゃんか。だから行こーぜ、海。」


「はぁ…しつこいな。…掃除当番、今月全部あんたがやりなさいよ。手抜きしたらお清めの塩100パーセントの枕とすり替えるから。」


「発想がエグいんだよなぁ!!そんでお前なら絶対やるから怖ぇーんだよ…。いいぜ掃除当番!絶対海だからな!」


――回想終了。


そして今に至る。


すごく後悔してる。


周りは家族連れかキャピキャピのリア充ばかり。


すごい場違い感…


てか本当に熱い。パラソルの下にいよっと。


「あ?何してんだよ木葉。着替えてこねーの?」


「海入る予定ないから水着持ってきてない。」


「何しに来たんだよ!?」


「うるさいからついてきただけ。楽しんできな。」


「1人じゃつまんねーじゃんっ!!ほら、着替えて来いって。」


「だから水着もってなぁ…なんであんたが持ってんの?」


ほら。ってフツーに水着渡されたけど。


え、キモ。


なんで持ってんの?


「お前の事だから持ってこねーだろって思って買っといた。」


「サイズ…」


「??お前が入院してる時下着も届けたろ?だから知ってるぜ?」


ドゴォォッ!!!


「ぐぉっふ!?!?」


「くたばれ変態クソ鬼」


パラソルが日除け以外で役立つって初めて知ったわ。


鬼は地べたにしゃがみ込んだままお腹抱えて起き上がってこない。


このまま打首にしてやろうか?


「な゙…ぜ、、げふっ」


「ふん。」


あー、ついにはドサて倒れちゃった。


もしかして本当に死んだ?


後で沖に流して証拠隠滅しなくちゃ。


「さてと。本の続き。」


どこまで読んだかなー。




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