第13話鬼と疑問解消のJK

下校の時間。


あの後荷物取りに教室に戻ったら今まで以上に周りの子から避けられた。


蜘蛛の子散らすようにサァーッて。


失礼しちゃうわよね。まったく。


「すげー避けられてたな、お前。」


「これで誰も私に嫌がらせしようなんて思わないでしょうね。ざまぁみろ。」


「なんでこんなに性格ひん曲がったかなぁ。」


やれやれってボヤいてもちゃんと私のカバンを持って横に並ぶこの鬼。


そう言えば何でコイツはこんなに一緒にいるんだろ?


石ぶつけられて流血して、ネズミ捕り頭から被って油でヌルヌルにされて。


いい事なくない?


まさかドマゾ?


「じー。」


「なんだよ?」


「ムチとロウソクどっちがいいの?」


「はぁぁ!?なんだよさっきのじゃ足んなかったのか!?俺で解消しようとすんな!!」


「だって好きなんでしょ?そういうの。」


「なんでその考えにいたった!?」


サッ!て身構えて攻撃に備えてる。


え?違うの?


じゃぁなんで私といるのか余計に分からなくなってきた。


「だってあんた、拾った時から私の横にいるから。」


「ダメなのかよ?」


「いや。退屈しのぎにいいんだけどさ。色々やられて流血沙汰にまでなってんのになんでかなーって。」


「その認識があるならせめて他人をオモチャに思うのやめろよな。」


「思ってないわよ。頭の悪いサルとは思ってるけど。」


「なんでこんなにねじ曲がったんだ…」


うげぇ。って顔でブーメランみたいな口して。


ねじ曲がったって、そんな事ないじゃない。


いたって純粋な心根の真っ直ぐな人間よ、私は。


「頭のおかしい奴ね。」


「お前がな!?ったく、別にいーだろ。俺は嫌いじゃないしな。」


「?」


「はっきり白黒言えて自分がブレねぇとこ。妖怪と仲良くなんなら大切なとこだ。」


「仲良くなれるのが妖怪前提なの腹立つな。」


「まぁ木葉の場合、鬼でもおっかねぇと思うけどな。生まれてくる種族は間違えたなと思ってる。」


「へぇ。」


そんな相手にここまで素直に話すかね?


てことは私は鬼より鬼らしいって?


どの辺がよまったく。


ーゲシ!!


「いで!?なんで!?」


「なんとなく。ほら帰るよ、荷物持ち。夕飯の買い出しもあるんだから。」


「なんとなくの理由で踏みつける力じゃなかったぞ!?鬼でもおっかねぇって言ったからか!?」


「分かってんなら驚く事ないじゃない。」


「当たるのかよ!!普通に驚くだろ!!」


まったく、うるさいわね。


これだから鬼は。


…でもなんか気分いいな。


しょうがない、今日は特別に肉料理多めに作ってやるか。



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