第11話鬼と下校するJK
ー翌日ー
「…」
教室ついたら案の定、机をアート作品にした子達はクスクスしてた。
でもこれで満足されたら困るからね。
2日目記念に写真撮っていればとんでもなく悔しそうな顔をしてくれたわ。
そして今は下校の時間。
机以外の被害もなく普通に帰るだけだったのに。
「なぜ来た。」
「迎えだろ、いーじゃん別に。」
校門が騒がしいと思えばあの鬼がよりかかってる。
そりゃ騒ぐよね。
身長お化けが腕組んで仏頂面で立ってるんだもん。
「頼んでないし目立つ。なぜ来た」
「あんなの見た後でほっとけるかよ。なんもねーなら帰ろーぜ。ここにいんの退屈だ。」
「あんた鬼よね?なんでこんなお人好しなのかな。」
ほら行くぞって前歩き出した。
鬼ってもっとこう、冷酷非道で惨忍なイメージあったけど。
私よりなんか人間らしい。
生まれてくる種族間違えたんじゃない?
「なぁー木葉、帰りスーパー寄って食いもん買ってこーぜ」
「あんた本当に太るわよ?あ、そうだコレ。」
「痛いとこつくんだよな…あ?なんだよ。」
「1週間後。私が作戦を決行する日。特別に招待してあげる。」
んー?とか言って手に取った手紙。
内容は”1週間後、当校において親御様参加型の集会を行います。お時間ありますようでしたらぜひご参加下さい”と言うもの。
当日までテレビの撮影が来ることは内緒みたい。
だったらそんな重要な書類はちゃんとしまっておかなくちゃよね。
「恐ろしい奴だな。てかよく生放送が来るなんて情報得たもんだよ。」
「職員室のテーブルに置きっぱなしだったのよ。情報管理ガバガバで笑えちゃう。」
「無表情で何言ってんだか。いーぜ、どうせ暇だし。どうなんのか見てみてーし。」
「とてもいい絵面になるでしょうね。撮れ高バッチリ貢献できるわ。」
「(同級生の将来は詰んだろうけどな。)」
早く1週間経たないかしら。
今日は机をやられていたから今度は私物だと思うんだけど。
ちゃんと引っかかってくれなきゃわざわざお気に入りのポーチ置いてきた意味がなくなっちゃう。
引っかかるかなぁ。
明日楽しみだなぁ。
「なんか楽しそうだな?いい事でもあったのか?」
「クスクス。いいえ?1週間後に分かるわよ。」
「あぁ、つくづく同情するぜ…」
「やるのがいけないのよ。よかったじゃない、世の中にはやってはいけない人もいるっていい
社会勉強になったんだもの。残りの人生犠牲にしてね。」
「お前生まれてくる種族間違えただろ。」
なにその確信に満ちたセリフ。
それはこっちのセリフだってのに。
私は普通よ。
「んなわけないでしょ。それよりほら、スーパー寄って夕飯の買い物してから帰るんだから。モタモタしないで。」
「今日は何にすんだ?」
「安売り見て決める。」
「なんか主婦みてぇー。」
ピチピチの女子高生になんて事言うのかしら。
食わしてもらってるヒモのクセに。
ムカつくから足踏んどこ。
ーゲシ!
「いって!?何すんだいきなり!!」
「うるさいわよヒモ。文句あんならご飯作るくらいしたら。」
「はぁ!?おまっ、主婦って言われた腹いせかコレ!?」
「家事1つしないクセに。家の仕事してから軽口叩きなさいよね。」
「ぐっ。クソッ」
ぐっぬぬって口歪めて。
事実しか言われてないから反論もできないでしょーね。
ざまぁみろ。
―――
「(絶対嫁にいけねぇなコイツ)」
と思い口を噤む鬼であった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます