第6話鬼に企むJK

ーあはは!それでねぇ


ー今日の帰りカラオケ行かね?


ガヤガヤガヤ


うん。うるさい。


せっかく気分よく学校来たのに。教室の扉の前から喧しい声が廊下まで漏れてて気分だだ落ちだわ。


高校生にもなって落ち着きのないこと。


ーガラ


「…」


「えー、それがさぁマジありえなくて!」


「ちょーウケる!」


「ねぇ。」


「え?あ、日暮さん!おはよー」


おはよー!じゃないわ。


うるさいクラスメイト無視して自分の席着こうとしたのに。


人の席無断使用して足大っぴらに開いてやがる。


こういう奴なんなの?


せめて当人来たらお礼と謝罪を言ってどきなさいよ。


「おはよーじゃなくて。そこ私の席。」


「あぁそうだね!もうちょっと待って〜。それでねぇ」


「イラッ」


もうちょっと?


その間私はどうしろと?


立って待ってろって事?


ードサ!!


「きゃぁ!ビックリした!何すんの!?」


「私の机に私のカバンを置くことの何が悪いの。」


「はぁ?感じ悪。もういいよ、行こ。」


ムカつくーとか言って席を立つクラスメイト。


その様子をコソコソ見て笑ってる奴ら。


吐き気がする。


「アルコールとエタノールで消毒して除菌用タオルで拭いておこう。」


シュッシュッシュッシュッシュッシュッシュッシュッ!!


フキフキフキフキフキ


「ふぅ…朝からいらない労働だわ。」


ピカァァと綺麗になった机と椅子を見て大満足。


このゴミはあのクラスメイトの机に突っ込んでおこう。


そうすれば私の席はもう使わないでしょ。


「あ、あのぉ…」


「?なに。」


「ありがとう…」


「??」


この子、私の前の席の子?


なんでお礼??


私何もしてないけど。


「その、私も座りたかったのに座れなくて。あの子1軍だから…日暮さんは大丈夫なの?」


「1軍?くだらない。あなたにお礼を言われる義理もない。嫌なら嫌って言えば。」


「あっ、うん…ごめんね」


鬱陶しいなぁ。


モジモジオドオド。


言わないから下に見られるのよ。


ーヒソヒソ…ヒソヒソ


「…」


くだらない。


早く学校終わらないかな。


帰ってゆっくり本でも読んで…


あの自称鬼、まだいたりして。


「いたらどうしようか。とりあえずネズミ捕り10個くらい買って仕掛けとく?」


それはそれで面白そう。


よし。今日の放課後の予定は決まりね。


ホームセンター行って、あぁあと絶対引っかかるから動画回しておかなくちゃ。


「ニヤリ」


―――


「ゾワワ!!…なんだ?すげー寒気。」


危機を感知する鬼であった。



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