第3話鬼と買い物するJK

ご来店ありがとうございます!ありがとうございます!


ワイワイガヤガヤ…


「…今日まさか特売日?」


もう少しで家って所でいつものスーパーに寄ってみればすごい人が集まってる。


店内見てみれば”大感謝祭!最大50%OFF!”の文字。


あ。卵安い。140円だって。


「時間ズラして…やめよう、それはめんどくさい。」


仕方ない…レジは並ぶか。


「今日はそうだなぁ。なんか疲れてるしカレーでいいか。」


切って煮込むだけだからラクなんだよね。


市販のカレールーも大好きだし。


…もしかしたらママも早く帰ってくるかもだし。


「鶏肉…鶏肉…あ、あった。これと…」


「そんだけじゃ足んねーじゃん。もっと買っとけよ。」


「ーっ!!」


し、、心臓止まるかと思った。


この声…まさか…


「え、なに。」


「何じゃないわよ。あんた銭湯は?すごいビックリした土下座して謝りなさい。」


「風呂は行ったし服も変えてるぜ。これで汚ぇなんか言わせねーよ。てかビックリさせただけで土下座かよ。」


「どんなカラスなのあんた。私ここに来るまでに1時間くらいしか経ってないのよ?キモチワル。」


「お前を追うために大急ぎで済ましたんだよ!!有り難く思えよな!!」


「どのへんを?」


「…。」


私は何に有り難がればいいの?


突然背後に現れた変質者にもっと肉買えって言われてるJKよ?


頭おかしいんじゃない?


「はぁ。まァそれは無視して。私もう買い物済んだから帰る。」


「え、早くね?てかその荷物持って帰んのかよ?」


「そうね。だから?」


「可愛くねーな。持つから貸せよ、鶏肉もっとカゴに入れてからレジ行くぞ。」


「なぁぜなぁぜ。」


当たり前みたいに私から買い物カゴ取っていくけど。


持つってなんで?


パシリ属性なの?


たしかに2Lの飲み物とかあって凄く重いけど。


「なんでって、そんな細腕じゃ重てーだろ。どっちが持ったって(お前が)金払う事に変わりはねーんだからいいだろ?」


「…」


「ほれ行くぞ。」


スタスタスタスタって本当に楽々と歩いていく。


すごく助かるけどさ。


こんなのわざわざ進んでやることなくない?


「…ありがと。((ボソ」


「なんだよ?」


「早くレジ行けって言ったのよパシリ。」


「お前はまず感謝の気持ちを持つことを覚えろ。」


口をへの字にして何言ってんだか。


ちゃっかりもも肉大量に入れてるくせに。


「…くす。」


「!」


「なによ。」


「いや。会計終わったなら帰るぞ。特別に運んでやる。」


「特別に持つことを許可してあげる。じゃ、行くよ。」


後ろでなんかフガフガ怒ってるけどムシムシ。


ママが帰ってくる前にカレー1皿くらいはご馳走してあげるけど後は自分でなんとかしてもらわないとね。


ラクできてよかった。


「ここ。私の家」


「…すげーデケー。」


「そう?普通だと思うけど。」


いつもより早く帰る事ができて喜んで鍵を開けてたら金持ちって言われた。


言うほどかね?


普通の家だけど。


ーガチャ


「ただいま。」


「親いねーの?」


「仕事。今日は帰ってくると思う。ん?」


靴を脱ぐのに下駄箱に手を置いたら何かがカサリってなった。


紙?なにかの広告かな?


「あ…」


「あ?なんだそれ、メモ?」


「…ん。急遽出張が早まったから行ってくるって。お金はいつものとこってある。」


「へぇ、忙しいんだな。」


「そうだね。」


ちょっとだけ期待してたんだけど。なんかバカみたい…


帰ってこないのか。そっか。


「…おい」


「なによ」


「俺腹減ってるからメシにしよーぜ」


「1万円分も既に食べてて?大食いファイターか。」


「鬼はけっこー食うんだよ。唐揚げな、出来たてまっててやる。」


「何様、、。お前を素揚げにしてやろーか」


「怖ぇ事言うな!なんかお前なら本当にやりそうなんだからよ!!」


「会って1日しか経ってないのに何が分かるんだ自称鬼め」


「お前の方が鬼にピッタリだけどな。」


お腹空いたって、よく食べるよ。


お腹の中にやっぱり何か飼ってるんじゃない?


まぁこうしててもしょうがないし。


ご飯にするか。

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