第62話 3人の初めての魔獣退治
ルイさんはスピカさんから分けてもらった魔力で高威力の風魔法を繰り出そうとしている。
スピカさんはルーンを弾丸のように飛ばしてケルベロスに攻撃を続けている。
「さぁ、こっちを向きやがれデカ犬!」
スピカさんの攻撃にケルベロスもイライラしてきたのか、
視線をスピカんに向け、突進した。
エマさんに切られた足を庇うようにしているためか、
スピードは出ていない。
「来た! エマ!」
「よっしゃ! 待ってたでこの時を!」
エマさんはケルベロスの前に立ちふさがり、
同じように突進した。
剣を強く握り、
一撃を込めようとしているようだ。
ケルベロスは全体重をかけてエマさんを押しつぶそうと両足を振り上げた。
ケルベロスの腹が無防備になる。
次の瞬間、ルイさんは風魔法をエマさんに向けて放った。
「いっけぇ!」
ルイさんを中心に強烈な突風が巻き起こる、
するとエマさんの突進力が高まり、
物凄いスピードでケルベロスに向かっていく。
そうか、エマさんの一撃に3人は賭けていたのか!
スピカさんの攻撃でケルベロスの意識を向け、
ルイさんの風魔法でエマさん突進力にスピードをつけ、
無防備な腹に強烈な一撃をいれる。
「3人とも、見事な連携じゃないですか……各々の役割も戦い方もしっかり分かっている」
僕は3人の成長に思わず声が漏れてしまった。
「ケルベロス……3つの首は3つの属性ブレスを吐き出す。だけど3つの属性を持ち合わせてるんじゃない。地底に棲みついているお前の身体は土属性……土は火に弱い、つまりエマの攻撃に弱い!」
「うおりゃぁぁ!」
エマさんは両手で剣を強く握り、
ケルベロスの腹を切り裂いた。
「グオォォォォ!」
ケルベロスは断末魔の叫びをあげ、
後ろに音を立てながら豪快に倒れた。
倒れたケルベロスはピクリとも動かない、
「はぁ、はぁ、はぁ……やった、やったで」
「ケルベロスを私達だけで倒せました」
「い……やった~!!!!!」
喜びを体全体で表した3人は、
そのままその場にへたりこんだ。
自分たちより遥かに格上の魔獣を倒したんだ!
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