第60話 ノーコンの風魔法、炸裂!
決着は近い、ケルベロスも3人もかなりのダメージを負っている。
「つっても、こっからどうすんねん、もう体力もたんで」
「私も魔力なくなりかけてますよ……」
「そうね……ならやることは一つよ」
傷ついた体にムチを打つように立ち上がり、
絞り出しながら3人は何かを決意したようだった。
「「「突撃っ!」」」
3人は一斉に声を上げ、
ケルベロスに立ち向かった。
ルイさんは残った魔力を回復魔法に使った。
3人の身体が多少なりとも癒され、
まともに動けるようになっている。
エマさんは剣を目一杯に握りしめ、
狙ったのはケルベロスの右足、
しかも後ろに回り込んで靭帯を狙っていた。
「上手い!」
ケルベロスの攻撃を予測した動き、
エマさんなんて上達の速さだ、
ケルベロスも靭帯を攻撃されたことで前のめりになっている。
靭帯を損傷すればケルベロスも思うように動けない、
これでケルベロスの俊敏な動きは封じたぞ!
「よし、ルイ、まだ少し魔力残ってるでしょ! 最後の風魔法ケルベロスが口を開いたらおもいっきしぶちかまして!」
「え、でも使っても一回だけだし、そんなに威力もないかもですよ? 回復に回した方が……」
「こんな巨体に長期戦なんかしても勝てっこないでしょ! 私達の魔力は残り僅かよ、勝負は一瞬!」
「……わかりました」
ケルベロスも傷つけられたことで激昂し、
右の首は目の前で無防備に立つルイさんに攻撃を仕掛ける。
「違う、真ん中の首じゃないと、エマ! ルイを守って!」
「うっさい、指示すなや!」
エマさんはルイさんの前に急いで割って入り、
ケルベロスの攻撃を未然に防ぐ。
ケルベロスはさらに激情し、
真ん中の首は大きな口を開け、
ルイさんを丸のみにしようとする。
「来た! ルイ、今よ、口の中に目一杯の魔力をぶつけて」
「え~……はい!」
ルイさんは嫌そうな顔をしながら、
これしかないと言わんばかりに、
ケルベロスの口に手を突っ込んだ。
口を閉じようとする瞬間、
ルイさんは目一杯魔力を解き放った。
「どんだけノーコンでも、口の中なら外れるわけないでしょ……、それに強靭な肉体を持っていても、体内まではどうかしらね」
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