第52話 すさまじい勢いでダンジョン攻略!

  3人で道を選んでからの勢いは凄まじかった。


なんというか、破竹の勢いというべきか、


それ以降の道を選ぶ際も迷いなく大きい道に進み、


行き止まりの場合はすぐに戻って次の道に進むを繰り返していく。


ヘイレス洞窟に現れるモンスターはそれほど強くはなく、


3人で協力して倒していった。


モンスターと戦うたび、


戦い方が洗練されていく3人を見て、


僕は嬉しくなる。


壁にまぎれたゴーレム、暗闇に乗じて奇襲するキラーバット、


土と水が入り混じったマッドマンなど地底のモンスターらしく土属性が多く、


それに合わせた戦い方ができるなんて……


さすがの3人だな。


「なぁ、そろそろ休憩せぇへん?」


かれこれ1時間ほど経過していた。


動き続けてさすがに疲れてきているのだろう。


エマさんの提案に2人は頷いた。


「賛成……さすがにきっつい」


「ですね、ひらけた場所があればいいですけど」


僕は周りを見渡し微かに松明の火が反射した場所を見つけた。


「あそこ……松明の火が反射してます、おそらく水源が流れてますよ」


進むと、4人が座れるほどの広さだった。


ここなら休憩ができそうだ、


僕は軽く水を手ですくい、


口に運んだ。


体に害は……なさそうだ。


水を補給するには問題ない冷たさで、


水が喉を通ると体から疲れが一気に取れたような気がした。


「みなさん、この水は問題なさそうです、ここで休みましょうか」


「ふぅ……ようやく一息つけるわぁ」


エマさんは岩を椅子代わりにして、剣を岩に立てかけた。


「ケルベロスまだかな? もしかしてもういないとか?」


スピカさんは地面に両手をつき、豪快に座り込んだ。


きているローブがめくれ生足が見えていて、


僕は思わず目を逸らして視界に入らないようにした。


「それは嫌ですね、ここまで来て……というより帰り道誰か覚えてます?」


2人は首を横に振り、答えようとしなかった。


幸い僕が覚えていたからルイさんの問いに答えてあげることにした。


「帰り道は僕が把握してますので安心してください、それにケルベロスはもう少しでたどり着けると思いますよ?」


それは3人が予想していない言葉だったようだ―――


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