第49話 A級クエスト【ケルベロスの討伐】
ケルベロス―――
地底深くに棲みつき、3つの頭を持つ魔犬だ。
それぞれの頭は火、水、風を操り、
3階建てほどの巨体を誇る。
そんな危険な魔獣がバルトガルト帝国の領土内に棲みついたらしい。
場所はバルトガルト帝国から少し離れた【ヘイレス洞窟】だ。
冒険者によって最近発見された未開な洞窟らしく、
今回も危険な旅になりそうだ。
僕たちは一通りの装備やアイテムを揃えてバルトガルト帝国を出た。
「いいですか? 今回の旅の目的は自分の戦い方を再確認することです、もし何かあれば手伝いますが基本は3人で戦ってもらいます」
「わかってるって、安心してぇなハイドさん」
「でもなんだか楽しい旅になりそうですね」
「アンタってほんと気楽でいいわよね、ハイド様が戦ってくれないのよ?」
僕たちは道中他愛もない話をしながら目的地を目指した。
この他愛もない会話ができるのは仲間ができたからで、
僕は終始ニコニコしていた。
3人は話し方も口調も違う、
話を聞いていて全く飽きないな。
ルイさんはおっとりとした口調で少し天然が入っているのかな?
たまに素直に感想を言う事があるがそこがルイさんの良い所だ。
裏表がないと言ったらいいのだろう。
対してスピカさんは裏表があり、
ルイさんやエマさんに対しては強い口調で話し、
僕に対しては声のトーンが高くなるのはなぜだろうか?
ただ言えることはスピカさんは嫌なことは嫌とハッキリ言えるところが凄いなと思うことがある。
物怖じしないといったらいいのか……。
エマさんは独特なイントネーションで2人の間を取り持っている。
強気な性格といい、
周りに気を使えるので僕も頼りにしている。
もし3人が姉妹だとしたら、
エマさんが長女、
スピカさんが次女、
ルイさんが三女といったところだろうか?
本当に僕はいい仲間に恵まれたな―――
「ハイドさん!」
僕はふっと我に返った。
エマさんの言葉に僕は思わず変な声を出してしまう。
「ふあぁっ!?」
「着きましたよヘイレス洞窟」
僕が考え事をしている間に僕たちはヘイレス洞窟に辿り着いていた。
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