第25話 魔集気法の詳細

「私が……風属性?」


ルイさんは自身の周囲に起こったことを目を見開いて驚いていた。


「まぁ、私はそんな気がしててんけどな」


「ちょっと、なんで私が土属性なのよ~!」


「スピカさん、こればっかりは生まれ持っての性質なので仕方ありません」


スピカさんを説得しているとルイさんが尋ねた。


「ハイド様、風属性の私は白魔導士としての素質は無いのでしょうか?」


「そんなことは無いですよ、ただ、風属性は自由や自然を意味するので、白魔導士の中でもさらに稀有な付与術師エンチャンターがあってるかもしれません。回復、補助、すべてをこなせるパーティには欠かせない存在ですね」


「なるほど……」


ルイさんは何度もうなずきながら自分の特性を理解し始めた。


「ハイドさん! 私は?」


「エマさんは火属性ですから、そのまま剣士でも問題ありません。火属性は衝動、情熱を司るので、肉体を強化すればするほど強くなることは間違いないです」


「よっしゃー!」


エマさんは右手をグッとガッツポーズをして喜んだ。


「スピカさんは土属性なので、創造や無限を意味します。黒魔導士の中でもかなり稀な黒魔導士になれるかもしれませんね」


「稀な……魔導士?」


「はい、どんな魔導士になれるかは僕にもわかりません、だからこそ土属性の黒魔導士は未知なんですよ」


「へぇ……私は無限の可能性を秘める魔導士ってわけねぇ」


スピカさんは横目でチラッとエマさんをみたあとニヤリと微笑んだ。


「なんやねん、そのしたり顔は!」


「それじゃ、皆さんの特性がわかったところで、次は魔力を高める特訓です」


「おぉ、なんかそれらしくなってきたやんけ! 次はなにするんや?」


「瞑想です」


「へ? 瞑想?」


「はい、魔力を集中し続けるんです、今は皆さんの周囲にしか影響を及ぼしてませんが、鍛えればさらに凄いことが起きますよ? 僕であれば体が発光するとかですかね」


「わかりました、瞑想ですね! やってみます」


「地味な特訓ね、もっと実践的な物かと思ってたけど……」


スピカさんは何やら不満な表情を浮かべている。


「何事も基礎が大事ですよ」


3人は頷いて目を閉じて魔力を集中し始めた―――


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