第22話 勇者が3人を鍛えることに!?
それはあまりに突然の事だった。
「え? 鍛える? 僕がルイさんを?」
「はい、今回のことでずっと思ってたんです。このままハイド様のお役に立てるのだろうかって、昔のお仲間さんもみんな有名な方ばかりで私も少しでもハイド様のお役に立ちたいんです! お願いします!」
ルイさんは頭を下げて僕に懇願をした。
僕は仲間になっていただけるだけで嬉しいのに、
僕は申し訳ない気持ちでいっぱいになってしまった。
「すみませんルイさん、そんなことを思わせてしまっていたなんて」
「でも、それはいい考えやわ! 私ももっと強くなりたいし、ハイドさん私もお願いするわ!」
「私は~ハイド様と一緒にいられるのなら何でもいいです~♪」
僕は少し悩んだ。
このままみんなと一緒に冒険でも勿論僕は構わなかった。
だけど、ルイさんの気持ちを無下にもできない。
強くなりたいと思ってくれているんだ。
その気持ちを尊重しよう。
僕はルイさんのお願いを聞き入れることにした。
「わかりました、しっかり教えられるかわかりませんが、やれるだけのことはしてみます」
「本当ですか! ありがとうございます、ハイド様!」
そういって満面の笑みを浮かべるルイさんは誰よりも輝いて見えた。
こんなに喜んでくれるなら、僕も誠心誠意教えるように努めよう。
「よっしゃ! なら善は急げや! どっか特訓できる場所とかあるかな?」
エマさんは外に勢いよく出ようとしたが、僕はそれを制止した。
「い、いやもうお酒も入ってるし、さすがに今はやめときましょう」
「え~、ちぇ、まぁしょうがないか。そしたら私はもう寝るわ、明日に備えたいし」
「そうですね、明日から楽しみですね」
「えぇ~、私はもう少しハイド様と飲みたいなぁ♪」
僕にくっつこうとするスピカさんをエマさんが引きはがそうとする。
「もう、ハイドさんの邪魔すんなや、ほらもう寝るで」
そういってスピカさんはエマさんに引きずられながら、
ルイさんと一緒に近くの宿屋に向かった。
僕はもう少しだけ仲間との祝祭の余韻に浸りたくて1人で静かに飲んでいた―――
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