第21話 勇者の過去の仲間
僕たちはS級クエスト達成を祝してマリアの酒場で盛大に祝った。
「それじゃ、私らの初のS級クエスト達成を祝して~」
「「「かんぱ~い!!!!!」」」
マリアさんは食事を出しながら、優しく微笑んだ。
「ふふ、よかったわねハイドさん、お仲間ができて」
「はい! 僕、仲間ができたのなんて久しぶりで……うぅ」
お酒が入っているのか、僕は感極まって泣いてしまった。
「ほらぁ、何してんねんハイドさん、アンタ泣き上戸かいな、つくづく勇者とは思えへんわ~」
「そういうところも可愛い~♪」
「大丈夫ですよ、私達は昔の仲間と違ってそばを離れたりしませんから」
僕はルイさんのその言葉に違和感を覚えた。
昔の仲間と違う?
そうじゃない、昔の仲間達が離れていったのは僕のせいなんだ。
僕は泣くのを堪えながらルイさんに説明する。
「ルイさん、それは違いますよ、昔の仲間は悪くなんかないです、僕が不甲斐ないばかりに迷惑を掛けてたんですから……だから、昔の仲間達のことは悪く言わないでください」
ルイさんは落ち込んだのか、下をうつむき始めた。
「ご、ごめんなさい、私そんなつもりで言ったわけでは……」
「あぁ、いや! 今は皆さんが仲間ですから、ごめんなさい、昔の仲間が良かったみたいな言い方でしたよね」
僕の話を聞いていたエマさんはある事が気になったのか尋ねてきた。
「そういえば、昔の仲間ってどんな人たちやったん?」
「えぇ~っと、戦士のリュークって方と、魔法使いのクラース、あとはハンターのフェイデンって人ですかね」
僕が昔の仲間の話をすると、3人は驚いた。
「リューク!? あの”竜切りのリューク”か? 凄い有名な人やんか!」
「クラースって、世界でも10本の指に入る大魔導士ですよ!」
「あのイケメンのフェイデン様がハイド様の元仲間!?」
「そ、そうなんですか? 確かにみなさん凄く強くて頼りになる方ばかりでしたが……」
ルイさんは僕の昔の話を聞いて、何かを考えた後僕に向かって叫んだ。
「ハイドさん! 私を……私を鍛えてください!」
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