三回 理想と現実と期待と重圧

 甲子園の予選である北北海道大会の地区予選に向けて練習をしていた。

 ある日一校との練習試合が組まれた、旭川高校ここら辺では人数が圧倒的に多い地域で一番のマンモス校だ。いっても甲子園どころか北北海道大会に出たことがない弱小チームらしいが気は抜け居ない、一年生がどれくらい通用するか試すために一年生中心でオーダーを組んだそうだ。

 僕は先発を任された。康孝とサインの確認をしながら、この気持ちが何なのかを気にしながら試合が始まるのを待っていた。


オーダー

北明高校     旭川高校

1小林8      1三井9

2峯井9      2横山7

3涌井4      3村上5

4三浦3      4諏訪野1

5美馬2      5今川4

6文山6      6三頭8

7小野5      7吉本2

8新井7      8栗山3

9岸部1      9松田6


っとオーダーはこの通りだ。

初回は、三者凡退に抑えた危なげないピッチングだ、その裏は小林君がまさかの先頭打者ホームランで一点を先制した2回は諏訪野にヒットを一本許すもちゃんと抑えたその後は3回も抑えて4回も無得点で5回に1アウトランナー1、2のピンチで今川にヒット打たれるも何とか最少失点で切り抜けた。

6回からは山本先輩の独壇場でパーフェクトリリーフをしてくれました。

チームは9回に三浦君がサヨナラ2ランホームランを打ちサヨナラ勝ちでした。


   123 456 789  R H

旭川 000 010 000  1  4

北明 100 000 002× 3  6


マウンドで感じた、この高揚感なんだったんだろう考えた。結果にまったく満足はしてない、辛うじて抑えただけでチームの足を引っ張っていた、と感じた。

 後日山本先輩と二人で居残りで特区した。先輩にとって旭川高校は眼中にないらしい今年こそ因縁の相手である深川国際と岩見沢実業を倒すと言っていた。

 自分も負けじと知識を紅白戦や練習試合で実践し公式戦で生かせるよう、沢山投げた。

 徐々にだが確実に球速と変化量が増えてきてる。具体的ストレートは最初は90キロ出ればいい方だったが今ではMAX125キロまで上がった。

 山本先輩と僕の理想の投手像を語った、山本先輩は7~8回を安定して投げれる投手が理想で、僕の理想は三振を安定して取れる投手を上げた。

 山本先輩はこの前の試合のペース配分をミスってると指摘されスタミナをつけるために走り続けた。

 三日後...

 旭川高校戦後紅白戦終わって片付けをしていた時監督から「来週の土曜と来週の土日に合計三回の練習試合があるから」っと言われてびっくりした。

 まず対戦チームは十勝農業甲子園にも隔年的に言っている中堅から強豪らしい。

次は北見商業高校あまり強い高校ではないらしいがエースがとても手強いらしい。

最後はオホーツク高校去年甲子園に行った高校だ、去年の主力は居ないが強いのは変わりない。

 それを言われた次の週末、十勝の方面へ約2~3時間バスに揺られながら、僕は本を読んでいた。世紀の大投手のダルビッシュ有投手の本を読んでいた、因みに隣の席は北山先輩だ。僕と同じ投手で変則投手で1年生ながら秋の北海道大会で完封勝ちしたそうだ。

 バスの雰囲気は、まるで修学旅行みたいにワクワクして居る様な感じだ。特に前の先輩方はずっとトランプで遊んでいた。

 北山先輩は僕が緊張しているのかに気が付いたのか「寝ていいよ」僕はすぐに寝たらしい。

 バスが付いたのか起こされアップを始めた。さすが強豪校設備がしっかりしていた。バッティングゲージが二つあった、うちは一つだけだとよ。

 相手チームの練習を見てもパワーが桁が違う、凄い長打力だ。今日はベンチスタートだがしっかりとしていきたい。


   123 456 789 R H

北 明002 400 100 7 10

十勝農300 002 000 5 4

勝ち 山本 S 岸部 負け 杉浦

北明 山本ー北山ー岸部

十勝 杉浦ー石川ー宮野-杉浦


自分は8人の打者相手に被安打1、余四死球1、無失点に抑えた。

自分としてはいい投球を出来た。何回かコントロールが上手くいかずにホームランのような飛び方をしていた。山本先輩曰く一発病と言う一部の投手が頭を抱えることらしい。気のゆるみだと判断した僕は、次の試合こそ理想通りの投球をすると心に誓った。

 翌週、今度は北見に来ていた、二日と練習試合が続くまずは初日、僕は先発は先発だ何とか試合を壊れないように頑張ろう!!

   123 456 789 R H

北 明000 000 120 3 10

北見商000 000 000 0 5

勝ち 岸部 負け 葛西

北明 岸部―三鵜島

北見 葛西

僕は七回を投げて無失点被安打4、理想道理の投球を出来たと思う。相手投手の葛西君が二年生のことに驚いた、あんな凄い球を平気で投げるのだから。

 翌日、さすがに僕はベンチだと思ったが、監督はそうはいかないらしい。なんで僕が先発なんでしょうね?

   123 456 789 R H

オホーツク 300 000 001 4 13

北明 200 240 00x 8 11

勝ち岸部 負け宮川

オホーツク宮川-岸和田ー伊藤ー佐藤

北明 岸部ー山本 H三浦


今日は5回を投げて3失点 被安打5としっかり抑えたのかな?初回は疲労と康孝とのサインが合わなかったから乱れたが2回から何とか抑えた!!

 監督はここまで投げさせてくれるのは何故名だろう?こういう諺があるが「獅子の子落とし」とは言うがこれは違うと思ったので監督に意図を聞いてみたらなんというか、あっけにとられた。返答はこうだ。

 「お前の集中力が凄いからどこまで続くのか試してみた」とのことだ。意味が解らないけれど、先輩方は監督はそいう人だたと言っていたから納得した。

 学校に付くと監督から試合メンバーが発表された。っと言っても背番号を渡すだけだが。僕の背番号は18番、プロならエースナンバーだが、ここは高校野球背番号が大きければ大きいほどスタ目から遠いという意味を持つ。と言いても部員は19人しかいないが...

 監督から一言だけ「気を抜くな」とそれにみんなは「当たり前です!!」と変えした。

 いよいよ来週から地区予選だ!!自分の投球が通じるところまで投げってやらぁ

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