第3話 心配

次の日真緒は,いつも通り学校に着いて

教室に入って自分の席に行くと

机にでかく悪口ともとられる文章が

ペンか何かで書かれていた。

真緒は,急いでカバンからタオルを取り出して

教室を出てすぐの廊下の蛇口で

タオルを濡らしていた。

「真緒,おはよう」

「智夏ちゃん,おはよう」

真緒を水で濡らしていると

智夏がどこか嬉しそうに真緒に話しかけた。

真緒も,それに釣られながら返した。

「真緒大丈夫,顔色悪いよ。」

智夏は,真緒の様子がいつもと違う事に

気づき心配になりながら真緒に言った。

「大丈夫だよ,全然元気だよ。」

真緒は,智夏に心配をかけないように

明るく答えた。

しばらく話したあと二人は,

お互いの教室に向かった。

真緒は,教室に行ってすぐ机の落書きの

ところを拭いた。

水性ペンだったのもあって

綺麗に落書きもとれていた。

「あいつやばいやつなんだろう。」

「あんまり話したことないけど,

折栄さんを殴って泣かせたらしいよ」

このように一日クラスメートから

ありもしない噂を言われたり

睨まれたりしていた。

真緒は、いつも通り智夏のクラスに

向かっている時だった急に

視界が真っ白になり階段から転げ落ちていた。

「真緒。」

真緒は、目が覚めると智夏が心配そうに

真緒に呼びかけていた。

「真緒,大丈夫,今先生読んだから」

智夏は,真緒が起きると心配した様子で

真緒に言った。

「いや,大丈夫だよ。

先生には,僕から伝えるから」

真緒は,心配をかけたくなくって

無理やり明るくしてそう言った。

「ごめん,僕先に帰るね。」

真緒は,申し訳なさそうに智夏にそう言うと

歩き出した。

智夏は,小さく頷くと真緒が歩いている

姿ををみることしかできなかった。



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