第2話 智夏の過去

校舎裏に着くと薄いピンク色の髪で

肩くらいの長さの女の子で

智夏のクラスメートの折栄秋菜が立っていた。

「真緒くん,来てくれたんだね」

女の子は,真緒がいる事に気づき

嬉しいそうに真緒にそう言った。

「折栄さん,何回も言ってるけど」

真緒は,言葉を選びながら話していると

「知ってるよ,だめなんだよね。」

真緒の話を被せるように秋菜が話し出した。

「でも,なんで智夏ちゃんなの,あの子

喋らないし不気味じゃん」

秋菜は,少し笑いながら真緒に言った。

「折栄さんは,智夏ちゃんの事そう思ってたんだね。」

真緒は,少し苦笑いをしながらいうと

「でも,智夏ちゃんがそういう

性格になったのは,折栄さんのせいだよね。」

真緒は,続けて秋菜に睨むように言った。

「何のことかな,わたしなんもしてないよ。」

秋菜は,呆れながら真緒に言った。

「2年間智夏ちゃんとをいじめて限界まで

追い込んだ事も,覚えてないの。」

真緒が少し震わせながら秋菜に言った。

「私,知らない,覚えてないもん」

秋菜は,真緒を煽るようにそう言った。

「うん,じゃあボク帰るね」

真緒は,泣きそうになりながら

秋菜にその一言だけ言って

その場から逃げるように走って帰って行った。

「むかつく絶対に許さない」

真緒が帰ったあと

独り言のようにそういうと

秋菜は,どこかに電話をし始めた。

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