第13話 光魔法
精霊族の村長さんの家で、僕はステータスを見て目をパチパチさせていた。
魔法が全属性使えるようになって驚いていたからだ。
「スキルが使えるようになってる・・何で全属性??」
「そこまでは分からんが、治ってよかったのう」
僕たちは村長にお礼を言いフレイマさんの所に戻る。
借りた指輪を返すためだ。
「呪いが解けたのね。良かったわ」
フレイマさんは純粋に喜んでくれていた。
僕たちは町へと戻らず、あの屋敷に向かっていた。
「トワ、てっきり町に帰ると思っていたけど・・メイスンさんの所に来たのは何故かしら?」
「うん。ちょっと試してみたいことがあるんだ」
メイスンさんの体調不良を魔法で治せるようなら治したい。
ついでに屋敷の雰囲気も何とかしたいところなんだけど。
屋敷を訪ねると、メイスンさんは椅子で寝ていた。
やっぱり具合が悪いみたいだ。
「メイスンさん、こんにちは。お久しぶりです」
挨拶もそこそこに本題に入る。
「僕の魔法で、メイスンさんを治せればと思いまして」
「ん?魔法?呪いが解けたのかな?」
「はい」
「そうか。それは良かった。約束をしていたのに何も出来なくてすまなかったね」
「それは気にしないで下さい。えっと、それでメイスンさんのステータスを見ても良いですか?」
「よく分からないけど、構わないよ」
『ステータス』
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メイスン 25歳 魔術師
生命力 20/100
魔力 200/200
攻撃力 30
守備力 10
素早さ 10
スキル
闇魔法・火魔法・水魔法
*
-----------------------------------------------------------
良かった。
フレイマさんと同じみたいだ。
これなら治せるだろう。
僕はメイスンさんに向かって呪文を詠唱する。
頭の中に自然と言葉が浮かび上がった。
『光の精霊よ・・瘴気を打ち払いたまえ『
メイスンの体に淡い光が包み込んだ。
「あれ、体がぽかぽかと温かい・・こんな感覚久しぶりだよ」
訊いたところ、最近は体がいつも冷え切っていて冷え性だったそうだ。
顔色も赤みが差してきたみたいだった。
僕は気になっていた事を思い切って聞いてみた。
「このお屋敷、昔不幸な事故があったりって・・ないですよね?」
「ああ、良く分かったね。ここはいわゆる事故物件なんだよ」
「ひぃっ」とウェンディが小さく叫んだ気がするけど気にしないようにしよう。
僕の袖をウェンディが掴んで引っ張ってくる。
怖くなったみたいだ。
試してみたいこと・・上手く出来るだろうか?
僕は頭の中で屋敷を包み込むイメージをする。
屋敷敷地内全体に魔法が届くように
『光の精霊よ・・周囲全体の闇を打ち払いたまえ『
光の粒子が家を包み込んだ。
「わぁ!凄い!浄化魔法だね。いつそんなの憶えたの?」
メイスンさんが驚いている。
上手く出来たかな?
「ちょっと、自信無いんですけど・・」
「多分ちゃんと出来てるっぽいよ。家の変な雰囲気無くなったし」
屋敷全体を覆っていた、鳥肌が立つような肌寒い感じは無くなったみたいだ。
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