第12話 精霊族の村

僕は落ち着いた頃合いをみて、フレイマさんに訊ねてみた。

瘴気しょうきって何ですか?」


「瘴気っていうのは、人にとって悪い影響を与える気かしらね。(私は猫族だけど)魔族とかは平気らしいわ。あら、もしかして私のステータスが見えてるのかしら?」


フレイマさんはステータスの事を知っているらしい。

「あまり口外しないでほしいのだけど・・テオスの森の奥深くに瘴気が強い場所があってね、そこは高濃度のいい薬草が採れるんだけど・・油断しちゃって長時間居たせいで瘴気に当てられたみたいなのよね。娘には心配かけちゃったわ。治してくれてありがとうございました。何かお礼を・・あら?トワさん、もしかして呪われてます?」


思ってもいなかったことを聞かれた。

フレイマさんも昔冒険者だったらしい。

お金を稼ぐためにたまに高価な薬草を取りに行っていたという。


「知り合いの精霊族にお願いしてみましょうか。色々知ってる人達だから、今手紙を書きますので待っていてくださいね」


僕はフレイマさんから手紙と緑色の指輪を預かった。

精霊族に対する紹介状みたいだった。


「ウェンディ、精霊っているんだね」

「精霊じゃなくて、精霊族でしょ?精霊はふわふわした小さい羽の生えた人で、精霊族は人間と同じくらいの大きさらしいわよ?」


何だか知らないけど、叱られた気がする。

ウェンディ物知りだなぁ。


僕とウェンディは外に出ていた。

フレイマさんから言われた通り、近くの大木に指にはめた緑色の指輪を当てる。

すると縦に細長い空間が現れた。

人が通れるくらいの大きさ。

指輪を使うと、精霊族の村へ行けるらしい。

ドラ〇もんのどこで〇ドアみたいな感じなのだろうか。


「「す、凄い!」」

「ほら、さっさと行くわよ」


ウェンディに背中を軽く叩かれ促される。

空間をくぐると、緑豊かな自然の中。

別世界に入ってしまったようだった。

鳥のさえずりが聞こえて、木々が騒めいている。


「誰だ」


辺りを見回していると、緑色の髪をした耳が長い男に声をかけられる。

槍をもっているので、村の門番だろうか。


「精霊族の方ですか?」

「確かにそうだが」

「これをお願いします」


僕は門番に手紙を渡す。

門番は手紙の差出人を確認して


「分かった。これから村長の所に案内するから着いてくるがいい」


素朴な木の作りの家々が見える。

こじんまりとした村のようだ。

その中でも少し大きめな家の前に来た。


「フレイマ様の紹介の客人を連れてきました」


床は絨毯が敷かれている。

床には耳が長く、緑色の髪の白髪交じりの老人が一人座っていた。


「そうか。ご苦労だった」


老人に頭を下げ下がる門番。

僕とウェンディは家の中に入る。

村長は手紙を開封し読んでいた。


「君が呪われていると?見た感じは普通の人間の様じゃが・・どれ」

村長は僕の前に手をかざした。


「おお、これは中々厄介な物じゃのう。これは生まれつきなのか・・後天的なものなのか・・」


村長は少し考え込み、机に無造作に置かれていた小瓶を取った。

「この聖水で呪いが取れるか・・まあ、物は試しじゃな。これは一族に受け継がれている聖水じゃ。ほぼどんな状態異常も治すものじゃから治るとは思うが・・」


僕は頭から聖水をかけられる。

普通に冷たい。


「体に変化はあるかの?」

「えっと・・」


正直よく分からないな。


『ステータス』


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トワ・ウィンザー 15歳 魔法使い

生命力 800/800

魔力  1000/1000

攻撃力 250

守備力 100

素早さ 100

スキル

火魔法・水魔法・風魔法・土魔法・光魔法・闇魔法

炎石・水石・癒石


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「うわっ、何だこれ」

「おお、人種族にもステータスを使える者もいるのじゃな」


僕のステータスを覗き込んで村長は笑っていた。

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