第5話 魔石の威力

僕は一度試してみたいことがあった。

宿に戻った僕は、ある言葉を言ってみる。

記憶にあったアニメやラノベでの異世界ではこの言葉で何かが出てくるはずである。


『ステータス』


目の前に透明なウインドウが現れる。


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トワ・ウィンザー 15歳 

生命力 100/100

魔力  200/200

攻撃力 10

守備力 10

素早さ 10

魔力無し

*魔力封じの呪い

炎石

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試してみるものだな。

ステータスが見れて確認が出来た。

数値低っ。

運動してないからこんなものか。

魔力が無かったのはどうやら「呪いがかかっているから」らしい。

魔力は意外と多いようだった。


僕はウェンディに聞いてみることにした。

部屋を訪ねると、彼女はベッドに腰かけて杖の手入れをしていた。


「呪いを解く方法って知ってる?」

彼女の前に立って訊ねる。


「私は火と、風魔法は使えるけど・・黒魔術は分かんないわ。んで呪いってどうしたのいきなり・・」

「ステータスを見たら、魔力封じの呪いが僕にかかっているみたいだからそれを解ければ魔法が使えるかなって・・」

「そのって何?」


ウェンディは首をかしげた。

異世界ではステータス表示って一般的じゃないのか。


「『ステータス』って言うと能力が見れると思うのだけど・・」

「ステータス・・何も見えないけど?」


『ステータス』


僕が言ったらウェンディのステータス画面が現れた。


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ウェンディ 20歳 魔法使い

生命力 200/200

魔力  250/250

攻撃力 100

守備力 85

素早さ 50

スキル

火魔法・風魔法

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僕より全然強いじゃん!



次の日、僕は町近くにある広野でガイから貰った炎石を試しに使ってみた。

石に手を乗せて詠唱してみる。

魔石を使う場合、短い言葉で魔法が発動できるらしい。


『炎よ・・』

「「「ドドドーーン」」」


炎が岩に当たり、砕けて解けていた。

空気が熱風を帯びている。


「え?何これ?何で岩が解けているのよ・・・ファイヤーボールってこんなに威力あったっけ?」


ウェンディが信じられないという顔をしていた。

一応危なく無いようにひらけた場所で試し撃ちした。


「そ、そういえば、魔石って使った分・・魔力を補充しておかないといけないのよね」


あ、そりゃそうか。

魔力は・・僕、一応魔力あるけど、入れられるのかな?


「どうやって入れるの?」

「貸してみて」


ウェンディは、炎石を両手で包み込み目を瞑る。

淡い光がウェンディを包み込んでいた。


「魔力を石に流し込むイメージかな。トワは魔力無いのでしょう?」

「魔力はあるけど、呪いがあるから魔法が発動出来ないみたいなんだ」

「あ~それで、昨日呪いの事を聞いてきたのか・・じゃあ、今度から自分で魔力補充してみてね。何回か練習すれば出来るようになるから」


魔石のお陰で、魔法が使える。

今までさんざん悩んできたのは何だったんだろう。

呪いを解かなくても、魔石を集めればいいんじゃないかと思ったけど集めるのは結構大変らしいとウェンディから後から聞いた。


ドラゴンみたいな強い魔物を倒さないといけなくて、しかも必ず石が現れるわけでもないとか。

魔石は売っているらしいけど高価過ぎて買える値段じゃないらしい。

値段は聞かなかったけど・・。

何か呪いが解ける良い方法が見つかるといいのだけど。



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