第13話:ヤバげな女に出を出すな
リンデは、おばちゃんの原チャに負けないくらい自転車を乗りこなしていた。
彼女はこっちの世界のことは右も左もわからないから俺は時間がある時は、
リンデになんでも教えた。
掃除や洗濯の仕方。
他にスーパーやコンビニへの買い物。
お金って概念・・・衣服や食材の買い方、人とのコミュニケーション。
リンデは少しづつ身の回りのことは自分でできるようになっていった。
セックスに関しては、俺がしたい時に申告してリンデのおっけ〜が
出たら、するって・・・だいたいそんなパターンになった。
リンデのほうから、したいって言われることはあまりなかった。
俺がしたいから俺のために付き合ってくれてるって感じかな?
女神様って欲情したりムラムラしたりすることないのかな?
そんな訳でリンデはもう充分この世界でやっていけそうだった。
もう向こうへ帰る必要なんかないのかも・・・。
で、まあ俺とリンデの生活は何事もなく平和な毎日が続いていくんだろうな
って思ってた。
でも、ある日のこと、絵里子が血相を変えて俺んちにやってきた。
「セイちゃん話聞いてくれる?」
なんでも、絵里子の一つ違いの弟が出会い系でヤバげな女とできちゃって、
さらに、その後ろにヤバげな男たちが絡んでいて、俺の女に、なにしてくれてんねん
って言いがかりをつけられてチャラにする代わりに300万よこせって恐喝されてるらしい。
バカな話だ・・・弟もビビッちゃってローン会社で300万借りてしまってそいつらに払う気でいるらしい。
出会い系がなかった時代でもヤバげな女にひっかかって女のヒモみたいな男に脅されるって定番みたいなパターンはよくあったみたいだ。
「セイちゃん、なんとかならないかな?」
「陽介は何やってんだよ、バカ女になんかひかっかって・・・」
陽介ってのは絵里子の弟。
絵里子と同棲してた時、俺んちへもよく遊びに来てた。
リンデは俺のそばで、その話を黙って聞いていた。
「なんとかって言ってもな・・・出会い系なんかに顔を突っ込むからだよ」
「出会い系とかマッチングとか一番ヤバいだろ」
「だいいち、なんで俺んちに、そんな話持ってくるんだよ」
「そんなもん、警察へ行けばいいじゃないかよ」
「警察へはもう行って相談したよ・・・」
「でも、ああだのこうだの、どうでもいいこと聞かれたあげく親身に対応して
くれなくてさ・・・あてにならないからね」
「あ、セイちゃん高校時代、剣道やってたって言ってたじゃん」
「そいつら、やっつけられない?」
「棒切れ持ったら素手のやつには勝てると思うけどな・・・」
「相手は何人なんだ?」
「分かんないよ・・・脅してきた男以外に仲間がいるみたいだけど・・・」
「もしセイちゃんでダメなら・・・リンデちゃんがいるじゃん」
「女神様なんでしょリンデちゃん」
「なんか、やってくれそうじゃん」
「リンデをこんなトラブルに巻き込むなよ?」
「おとなしくお留守番してる場合じゃなさそうだね、セイちゃん」
「あの・・・私なら大丈夫ですよ」
「力になれると思います・・・」
「リンデ・・・何言ってんだよ」
「私がお願いすれば、あちらも素直に引き下がってくれると思いますよ」
「お願いなんかしたって一筋縄じゃいかなそうな連中じゃん」
「大丈夫・・・セイちゃん、私は女神だよ・・・ワルキューレだからね」
「向こうでは、強力な敵と戦ってきたんだよ」
「それに比べたら、人間ごとき・・・」
「あ、ごときなんて言ってごめんなさい」
つづく。
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