第11話:したいです・・・女神様。

俺はリンデと暮らすようになってルンルン気分だった。


日々充実した大学生活とバイトに明け暮れていた。

リンデも少しづつ料理の腕をあげていった。


朝はいつでもリンデのチューで目覚めて、大学へ行くときはチューで

見送ってもらって、バイトから帰るとハグとチューで迎えてくれた。

で寝るときは、二人くっついてお休みのチューしてもらって寝た。


朝から晩までチューだらけ・・・

いつの間にかリンデのチューは俺のジンクスになっていた。

リンデとチューをし忘れたりしようもんなら、何かよくないことが起こる

んじゃないかって心配した。


でも、それも含めて、なんて夢みたいな毎日なんだって思った。

いつか冷めるんじゃないかってこれまた心配した。


俺は普段、昼飯は大学の食堂で食ってたんだけど、リンデが弁当を作って

大学に届けてくれるって言うんだ。

そんな無理しなくていいって言ったんだけど・・・。


「あのさ、そんな無理なことしなくていいから」


「私がやりたいの・・・」


「やりたい?・・・やりたいの?」


「・・・え?・・・なに無理やりそっちに持って行こうとしてる?セイちゃん」


「って言うかさ、俺たち一緒に生活してもう何ヶ月も経ってるんだよ」

「そろそろいんじゃないかな・・・」


「なにが?・・・なにがそろそろなの?」


「分かるだろ?」


「はっきり言ってくれないと分かんない・・・」


「またまたあ・・・だから・・・その・・・」


「セックス?」


「お〜っと・・・どストレートな発言」

「受け損ねそうになったわ」


「じゃ〜今夜する?」


「え〜こ、こ、こ、今夜?・・・今夜って・・・」

「そんなに簡単におっけ〜しちゃっていいの?」


「だってしたいんでしょ?セックス」


「そうだけど・・・もうちょっと嫌がるとか、しぶるとかしてくれたほうが

興奮するんだけど・・・」


「もう面倒くさい人」

「したいの?したくないの?・・・どっちなの?」


「したいです・・・女神様」


(お〜女神様とエッチするのか、俺)


「セイちゃんがいつまで経っても言わないから興味ないのかと思ってた」


「そんな訳ないでしょ」

「ずっと我慢してたんだよ・・・リンデのほうこそ何も言わないから」


「そういうのは男性から誘うもんだよ」


「俺がさせてなんて言ったらビンタ食らわされるんじゃないかって・・・」


「ほんとに、おバカだね」


「俺、もうハグとチューだけじゃ我慢できないよ」


「それならそうと早く言ってくれたらよかったのに」

「さっきのきっかけがなかったら、ずっとしないないまま過ごしてるよ」


「じゃ〜今夜ね・・・いい?」


「あ、よろしくお願いします」


「って、セイちゃんが余計なこと言うから、なに話してたか忘れちゃったじゃない」


(余計なことって・・・俺たちには大事なことだろ)


「あの〜弁当の話だと思うけど」


「あ、そうだった・・・」

「あのね、朝はお弁当作るの間に合わないから、お昼までに作って学校に届けて

あげるからね」


「大学まで、かなり距離あるけど・・・」

「毎日だと電車代もバカにならないよ」


「大丈夫だよ」


「まさか、ふわ〜って飛んで来るんじゃないだろうな」


「そんな目立つことしないよ」


「最近はさ。どこにでも防犯カメラあるから、くれぐれも早まらないでよ」

「そんなことしたら、たちまちネットに拡散されて未知の映像なんて番組に

取り上げられるんだからさ・・・」


「お弁当は歩いて持って行くから」


つづく。


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