第3話 「君」

そこにあったのは「君」の輝かしい笑顔だった。

隣で咲くひまわりによく似た、暖かい笑みだった。

君を見た瞬間ふと、

あぁ、僕はこれになりたかったんだ、と思った。


君の笑顔は僕まで笑顔にしてくれた。

今、この瞬間だけ、自分はひとりで、ぼっちで、

嫌われ者だという事実を忘れられた気がした。

僕も「普通亅になれた気がした。


それから毎日君はこの公園の隅に来てくれた。

毎日、毎日。

根本の生活は余り変わらない。

僕はひとりで、嫌われ者。

でも、毎日、この一瞬があるだけで耐えられた。


かと言って、君はいつも笑顔なわけじゃなかった。

無理して笑顔を作っていた時もあった。

泣いていた時もあった。

それでも明日には笑顔を浮かべ、立ち直っている

君に、憧れた。

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