第二十九話 志と盟友2




「面を上げよ。此度の使節派遣における活躍、朕の耳にも聞き及んでおる。よって褒美を授ける」


「ベテルギウス・コルネフォロス。前へ」


「今回出現したという魔族を倒した褒美として男爵を叙爵する。これからも国の為にその剣を捧げて欲しい」


「はっ!生涯この身を捧げる事を誓い、謹んで拝命致します」


父上が男爵に任命されて素直に嬉しかった。

それと同時に俺は力が何たるかを昨晩から考えていた。


「次に、シリウス・コルネフォロス。前へ」


「此度の遠征において出現した魔族を相手に父親譲りの武勇で一歩も引かずに身を賭して戦ったらしいな。まだ未成年である為、叙爵は出来ぬが…栄誉叙勲として準勲爵士と金一封を授ける!」


「はっ!身に余る栄誉、謹んでお受け致します」


「次にコルカロリ。前へ」


「h,ひゃい!」


(プッ、クスクス)


「コルカロリ、民間人ながら今回の調査任務に尽力し魔物を退けた班のリーダーとしての功により、準勲爵士の栄誉叙勲と金一封を授ける」


(え、俺が…俺がー!?)

「はっ!…謹んでお受け致します」


「他2名も此度の活躍を労うとして金一封を授ける」


「尚、この後コルカロリ一行は別室に来るように」



その後別室へ案内された俺達だったが、そこには陛下とサルガスが居た。

陛下の話によると今回の件もあり、冒険者パーティーを王宮に召し抱える事は出来ないが、今後はギルドを通じて秘密裏に調査などをしてもらいたいという。

つまり王宮専任冒険者だ。又、今回の件でコルカロリ、カラ、ダビーはA級冒険者へ昇格。俺もC級へ昇格した。


更にサルガスが俺に話があると言い別室へ連れて行かれた。


「シリウス、今回の件でお前が悩んでいる事は方々から聞いている」


「悩んでいるというか…」


「まあ最後まで聞け。俺もあの時自分の無力さを痛感したのだ…それで俺は決めた。この世界を変えると!」


「世界を…」


「俺はこの大陸から1つでも多くの悲しみを消して見せると。それにはお前の力も必要だ」


「俺の力…?」


「俺にはお前ほどの武勇は無い。だからシリウス!もし俺と同じ気持ちで居るならば俺にお前の力を貸せ!そして共にこの理不尽な世界を変えるのだ!」


そうか……居たんだ…

(居ないの?同じ志を持つ、貴方に無い物をもつ仲間は)


「俺は…もっともっと強くなって、そしてこの理不尽な世界を変えたい!」


「ならばシリウス!強くなれ!お前の父上より強くなって俺の右腕になれ!俺達に立ち止まっている暇は無い!」


「ああ…やってやる。やってやるさ!」



その後俺達はブルーオイスターへ向かった。


「まさか俺が叙勲だなんて夢にも思わなかったぜ」


「でも結構な大役言いつけられちまったな。どうすんだよこれから」


「どうもこうもないわ、王命が下るまで私達も自分を鍛えなきゃいけないわ」


「じゃあギルドで依頼受けながら特訓しようよ」


「あら〜ヤングメン昼間から羽振りがいいじゃな〜い?」


「メローペさん!俺達、新しい目標が決まったんだよ!」



「あらそう!それは良かったわね。うふふふ」





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