第二十六話 強襲と強敵
「敵襲ー!敵襲ー!3時の方角、敵襲だー!」
(クッソーもっと早く気付くべきだった…)
ダビーは自分の直感が鈍っていると思い後悔していた。
しかしダビーが気づかなければもっとヤバイ事態になっていただろう。
ダビーは汚名返上と言わんばかりに、必死にアケルナルやベテルギウスがいる場所に触れ回った。ダビーの機転の良さと機動力のなせる技だった。
勿論コルとカラもシリウスの下へ向かっていた。
ダビーがアケルナルの所に着くと状況を説明した。
相手はスケルトンだが様子がおかしい。
揺動の可能性がある。
全軍で向かうべきではない事。
ここで長老と殿下を護衛したほうが良い事。
ダビーの直感だがアケルナルは信用した。
そして思い当たる点が有るとダビーは単独行動をすることにした。
一方シリウスはスケルトンを片っ端から叩き切っていた。
もうどれくらい倒しただろう。100体位だろうか。
「しかしキリがねえなぁ…弱いくせに倒しても倒しても次から次へと湧いて来やがる…」
流石に疲れてきたな…
「珍しく苦戦してるじゃないかシリウス。手を貸そうか?」
「1人でこんなに…頑張ったわね」
「コル!カラ!」
「じゃあ行くぜ!シリウス!」
2人の参戦で明らかにスケルトンの数にも変化が出てきた。
「おかしいわ…こんなの。これは召喚魔術じゃないの?こんなの切りが無いわ」
その時、スケルトンを掻き分けるように悍ましいオーラを放つ魔物が現れた。
それは龍族とは全く異なる角を持ち、手には禍々しい剣を握りしめている。
「う、嘘だろ……悪魔?…魔族なのか…?」
コルが青ざめた表情で怯む。
「しっかりしろコル!アイツは俺がやる!雑魚を頼んだ!」
シリウスの喝にコルは我に返った。
「コル、やるわよ!」
シリウスはブーストし臆せもせず何だか良く分からないもモノに突撃した。
しかし全て受け流される。
敵もシリウスに容赦なく襲いかかった。
両者一歩も引かずに打ち合いを続ける。
コルとカラもなんとかスケルトンを抑えてる。
しかしこれでは本当にいつかやられる。
コルは戦いながら考えるが現状打つ手がない。
するとシリウスが吹き飛ばされた。
「シリウス!」
だがコルも動けない。
「だ、大丈夫だー!」
直撃ではなかったものの既に疲労困憊のシリウスだった。
「ハァハァハァハァ…こいつ、何なんだ一体…」
するとこの何だか良くわからない魔物が喋り始めた。
「ワレハ、カミ…ノ…ケンゾク」
「何、けんぞく?神って言ったかコイツ?」
「オマエハ…ココニイル…ベキデ…ナイ」
「ゴチャゴチャ五月蝿えぇー!」
またしてもシリウスが果敢に攻め込んだ。
「お前みたいな神が居て…たまるかー!」
ドズン!という音と共にシリウスの一撃が左肩から胸にかけて入った!
しかし意に介さないかの様にシリウスを薙ぎ払った。
巨木に叩きつけられたシリウスがグッタリしている。
「グハッ…ゲホッ…出鱈目な強さしやがって…」
意識はある様だが出血が酷い。
しかし敵がシリウスに向かって行く。
とどめを刺すかのように。
「シリウス逃げろー!」
「コル集中して!」
絶体絶命。まさにその時だった。
敵の一撃を双剣が止める…
「筋は良い。根性もある」
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