第二十三話 シルマとの出会い




一夜明け、早々に出発する事にした。

依頼の調査範囲が広くダンジョン等の探索では無いので馬で移動することになった。

ダビーは馬に乗れないという事で俺と相乗りした。

またカラも二日酔いで頭痛だった為コルと相乗りした。


「あ〜、頭痛い〜」


「俺があの店連れてったのがマズったな」



途中一泊野営して次の日には星詠の森までやってきた。

徒歩では三日掛かっていたが馬はやっぱり速い。

早速周辺地域の調査に入った。

一通り馬で流して危険がないか確認をする。

途中コボルトや魔物のジャイアントモスやデススパイダーなんかは居たが問題なく排除して一日目は終わった。

二日目も同じ様に更に広範囲で調査していたが初日よりも魔物の数は減っており楽勝だった。

途中で以前のコボルトダンジョンを通りかかったが別段異常もなくそろそろ休憩しようとした時だった。


星詠の森から悲鳴が聞こえた。

結界が張られている筈だが急いで向かうとコボルトに襲われているエルフの一行が居た。


速やかにコボルトを排除してエルフを助けた。


「大丈夫ですか!?」


「はい有難う御座いました」


歳は俺より上…20?位かな。

これがハイエルフなのか?なんというか透き通った感じで綺麗な人だ。

怪我をした者が居たのでカラさんが治療している。


「結界が張られているはずだがどういう事だ?俺達まで結界の中に入ってしまっているが…?」


「近々星渡しの儀式が有ります。その儀式が近くなればなるほど結界が弱まってしまうので」


そんな事言ってたな…


「本当に助けて頂いて有難う御座いました。申し遅れました私はこの森の神子シルマと申します」


「俺はシリウス、宜しく。でも神子って?」


「神子って言うのは巫女みたいなもんで、儀式を執り行う者の事だ。しかしあんたが…」


「俺はコルカロリだ俺達はその儀式に先立ってこの辺りを警戒してたんだ」


「そうだったのですね。救けて頂いて恐縮なのですがそろそろ行きませんと」


「ああ、気にするな。引き留めて悪かったな」


「では失礼いたします」


そう言うとシルマは深々と頭を下げ森の奥へ消えていった。


そんなハプニングも有りながら調査を続け撤収予定日になったのでギルドへ報告に戻る事となった。


ギルドへ戻って報告を済ませるとタリタさんに呼び止められた。


「シリウスさん。指名依頼が来てますよ!」


「ええ!誰からだろう?」


帰って早々の事だったが急いで依頼書を開けてみた。

それは王宮からの依頼書だった。


「おいお前何やらかしたんだ!」


「いやいや何もしてないよ!」


驚く一同だったが俺は依頼者の名前のお陰で特には驚きはしなかった。サルガスだった。

しかし何の用だろうとは気になったので急ぎ王宮へ向かう事にした。


パーティー一同お城まで来ると皆急に緊張し始めて居るのが分かった。

三の丸二の丸は顔パスで衛兵さんと軽い挨拶で通り抜けると皆不思議そうな顔をしていた。


「おい、お前実はここに住んでるとかっていうオチじゃねえだろうな?」


「プッ、まさか!」


流石のダビーも俺を疑ってる様だ。

王宮の城門まで来ると依頼書と通行証を見せて通してもらった。

チョビ髭さんが出迎えてくれた。


「これはこれはシリウス様。謁見の準備が出来るまでこちらへ。ササッどうぞどうぞ」


慣れたものである。





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