第3話 魔法科に行ったけど・・・
今日は昨日よりも早く目が冷めた。
前世ではいつも親に起こしてもらっていた記憶がある。
だが、校外学習や修学旅行などの楽しい行事のときに限って普段より1時間近く早く起きることが多い。
いつもそのたびに、
「普段ももっと早く起きることができればいいのに。」
と思っている僕がいた。
今回もそのような感じだろう。
ベットから降りて窓の外を見てみると、日がちょうど地平線から少しずつ顔をだしていた。
それを見たあと、ベット横にある勉強机に向かった。
机は木製でありしっかり引き出しまでついている。
イメージとしてはイギリスの昔の学生用の机と告示している。
僕は引き出しからノートを取り出し、そこに昨日一日でわかったことをまとめる。
【時間的経過】について
昨日一日でわかったが、この世界の時間な流れは前世の頃と全く同じである。
だが、地球とは少し違う部分もある。
それがこれだ。
1陽=午前中、1陰=午後、陰陽=24時間
「何時間」という定義はあるが午前中は1陽、午後は1陰というエジプト時代みたいな感じがある。
【言語】について
日本語は使われておらず、ブラックレターみたいな文字が使われている。
しかし、しっかり解読することが可能。
ユウカに日本語を見せた結果、向こうは日本語を解読することは可能。
喋っている言語も日本語が主流?
他の国では英語になっているところもある可能性も?
【学力】について
あまり良いとは言えない。
数学では全く違う方程式や計算方法がある。
数学に関連して、物理や科学でも間違った考えが広まっている。
元素についてはあまりにもひどい状況である。
異世界でも元素や原子の仕組みなどは多分同じ。
昨日の読書でこの国の教科書も読んでみた際の発見などをこのようにまとめていた。
ちょうどノートが書き終わった頃にユウカがノックをして入ってきた。
「アース様おはようございます。本日は剣術の講義と魔法の講義がございますが、どちらをご選択になられる予定なのですか?」
そういえば、受けれるのは時間的問題で1科目のみだったということを今になって思い出した。
剣術は明日でも受けれるだろう。
魔法の講義を選択して終わった後に部屋で練習するというパターンが個人的には1番楽しいかもしれない。
「じゃあ、今日は魔法の講義を受けようかな?」
「わかりました。では私から講師の方に伝えておきます。アース様はまずは朝食を召し上がってください。その間に私はいろいろと準備しておきます。」
「じゃあ、とりあえず僕は朝食を取ってくるよ。」
やっぱりユウカの日本語が妙に不自然だな、と思いながら僕は広間に向った。
食事が終わり僕の部屋に戻るとユウカはバッグに何やらテキストらしきものをいれていた。
「おかえりなさいませ。ではこの後の予定をご説明させていただきます。今から”国立魔法研究大学”まで馬車で移動した後、魔法の講義に参加いたします。帰りは1陽3時間行います。そのあと馬車でここまでお戻りになる予定です。」
どうやら8時間くらい勉強するようだ。
まあ、面白いだろうからあっという間に終わるんだろうな。
「それで登校にはこのバッグをお使いください。この中に講義で使う資料や教科書などが入っています。また、万一のために剣を入れてあるのでご注意ください。」
渡されたバックはどうやら魔法バッグのようだ。
異世界漫画ではこれの容量が無限だったりすることが多い。
「ユウカ?これって容量はどれくらいあるの?」
「多分ですけど、水が1万ℓくらいは入るかと思われます。」
やはり、異世界のバッグはぶっ壊れていると再確認させられた。
城を出て街を移動すること30分、東大のような立派な建造物が顔を出し始めた。
「あそこにある建物が大学?」
「はい、あそこに見えるのが国立魔法研究大学の魔法学部です。」
なぜ東大のような形をしているのかは後にして、ついに魔法の勉強ができることに興奮をおさえるのが大変だ。
馬車を降りた後、僕は魔法科1年の教室に向かった。
この世界では入学式や卒業式はなく、いきなり勉強スタートだそうだ。
教室に入ってみると、いろいろな人がいた。
ヒューマン以外に猫族?や犬族?などの人種がおり、顔は人だが頭に耳や尻に尻尾などがついている。
数分遅れて教授が教室に到着した。
「どうもこんにちは。今年ここの学年で授業を行うアルベルト=イノルデュースです。今回の授業は魔法とは何か、どのような仕組みかを解説していきます。」
個人的には顔や声が好きな先生がきた。
低すぎず、高すぎず、優しそうな顔をした先生だ。
「それではまずは魔法とはどのようなものか、解説をしていきたいと思います。魔法とは体内にある体内魔力と自然界にある浮遊魔力を物体上に変化させ、利用するのに使うものが魔法です。また、魔法にも無詠唱魔法と詠唱魔法があります。基本的には無詠唱魔法を使用していきますが、10種類以上の魔法を融合させる場合には詠唱魔法を併用することがあります。」
「質問です。10種類以上も魔法を使うことなんてあるのでしょうか?」
「いい質問です。実際は10種類使うことは少ないですが、魔剣をを作る場合には付与を20以上することが多いのでこのような場合に用いられるが多いです。」
「ほかに質問がある人はいませんか?」
「それでは続きを行います・・・」
ついに魔法の講義が終わった。
数学よりも複雑で難しい。
だが、これを物理を使って応用すればある意味強い魔法になるのではないだろうか。
そんな考察をユウカに相談してみた。
「確かに、そのような使い方であれば使用する魔力量は減少しますね。お戻りになったあとに競技場で実験してみてはいかがでしょうか。」
今日は魔法の使い方までしっかり身に着けることができた。
実際に実験してみることも悪くはないかもしれない。
そんなことを巡らせながら、馬車に揺られながら家に向かって行った。
勉強のし過ぎで過労死して異世界に転生したけど、ものすごく平和だったので第2の人生としてゆっくりしていく! 安野 夢 @blackman0509
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