第2話 何?何があったんだ!

足元は暗く、ガラス上に立っている様にもおもえた。

周りの風景は、停止したままだ...

「リアム、何なの?これぇ...」今にも、暗闇に落ちそうだ。

「わかんねぇ...時間が止まってんのか?」

2人の周りは、目映い光に包まれたと同時に..

下の暗闇に、吸い込まれるような感覚がした。

「きゃー!落ちるぅ!」

「くっそぉー!何なんだよ!意味わかんねぇよ!」くるくると螺旋を描く用に、落ちていく。

気持ち悪ぃ...周りを見ると森の中にいた。

レ、レイチェルは、どこだ!

少し離れた、草むらの中に倒れていた。

「レイチェル、おい、起きろよ」俺は、レイチェルの体を揺すった。


「うぅーん...」レイチェルが目を覚ました。

「良かった、目ぇ覚めたか?どっか痛ぇとこねぇか?」レイチェルは、目を擦りながら

「目が回って、気持ち悪い...ここは何処?」

「わかんねぇ..切り株の下に落ちたのかな?」2人で周りを見渡してみるが、森の中にいる。

「切り株の下なら...周りは土の筈でしょ」

「2人で同じ、幻覚を見たのかぁ?」

「かもね、って絶対にあり得ないんだけど。森の中だし、今日は...もう家に帰りましょ」

俺達は、立ち上がり家に帰る為のリボンを探した。

「リアム...何か、森が違うくない?」

確かに、森と言うより林っぽい。

「木が..少ねぇ様な感じだけど...気のせいだよな...」木が、痩せていて栄養が足りてない...

俺は方位磁石をバックパックから出した。

「レイチェル、怖いこと言って良いか...」

「な、何...」俺は、レイチェルに方位磁石を見せた。

「クルクル回ってるんだ...方向がわかんねぇ...何でだ」2人は、呆然として方位磁石を見つめた。

「やっぱり、幻覚じゃなかったの?」

足元は、草が少なく地面が所々に見えている。

クスクスと笑い声が、何処からが聞こえて来た。

「レイチェル、笑い声が聞こえてこないか?」

「いやぁ!幽霊?私達...死んじゃったのかな」

いきなり、木陰から女の子が宙を舞いながら出て来た。

「ぎゃー~!」俺は、レイチェルの手を握った。

恐る恐る、女の子を見ると透明の羽が生えていた。

「お、お前、何で羽が!あんだよ!死んだら羽が生えるのか」俺は、自分の背中を見た、

クスクス

「君達は、人間なのかな?」クスクスと、笑いながら2人の周りを飛んでいる。

「人間だよ。お前は誰なんだよ?」俺は飛んでいる女の子の羽を見ながら言った。

「ここは、天国なの?」

「僕の名前はネオ。妖精って知らへんのかぁ?」

「知ってるけど...おとぎ話でしょ?」

「妖精って!ちっこいんじゃないのか?ってか俺達は生きてんのか?」


ネオは、クスクスと笑い続けている。

「笑うのやめろよ!それと飛ぶの止めてくれ、目が回っちまうだろ」ネオは、飛ぶのを止めて俺達の近くに座った。

「君達は生きてるよん、それとぉ時空の狭間に落ちたんや」リアムは羽に触りながら

「時空の狭間???意味わかんねぇ」と、言うと...

「羽をー!触んじゃぁねぇよ!チッ💢」

・・・チッって..こいつキレやがった・・・

「さ、触ってゴメン」取り敢えず謝っとこう。

「何で私達と同じ大きさなの?おとぎ話が間違ってるの?」

「間違いでもあり、間違いでもないよん」

「何、言ってんだ?意味わかんねぇぞ」

「ここは異次元で妖精なんかの国やねん。人間世界とあまり変わらへんねん」何で、微妙な関西弁なんだ。イントネーションが違うぞ...

「妖精なんかの?別の妖精もいるのか?」

「色々いるよん、ほんで君たちの名前と歳は?」

「私はレイチェル 9才」

「俺はリアム 9才。色々って何がいるんだ?」

[うーん。いっぱい やねんなぁ、ドワーフ、ユニコーン、ジン、フェニックス、ドラゴン、マーメイド...]ネオの言葉を止めるように

「もう!いいよ!めっちゃ居るじゃねぇか!俺達は家に帰りたいんだ!帰り方を教えてくれよ」ネオは、頭を傾げながら

「それは難しいかもねぇしれへんねぇ」

「何でだよ!」

「だって異次元の裂け目が消えてかけてるやん。見えてへんのんか」指を上に向けた。

上を見ると木漏れ日が指してるが、俺達を包んでいた光が薄く為って、消えていっている。

「私達...帰れないの?家族が心配するじゃない...」

[んー。人間世界と僕達の世界では時間の感覚が違うんねん]

「どんな風に」

「この世界の1日は人間世界の1秒やねん」クスクス。

「それって、凄く年を取るのが早くならないの?」俺は、草むらに座った。

「裂け目を探したら、家に帰れるのか?」

「たぶんねぇ」

「多分!!?」ネオは、頷きまくっている。

首が捥げるぞ....

「ここに、おっても家に帰られへんやろから、取り敢えず、町に行こかぁ]ネオは、羽を広げパタパタさせている。

「町があるの?」

「あるよん。僕の家に来たらええよん」

「ネオの家に行って、どうするんだ?」

「この場所に居たいなら構わんけど、怖い妖精もいるのねん」俺達は、周りを見渡した。ファンタジー感の無い林だ。

「リ、リアム、ネオの家に行こうよ」レイチェルは、泣くのを堪えている。

「そうだな、連れてって貰おう」

「ネオ、あなたの家に行かせて」

「話しは、纏まったんやね。OK!じゃぁ行こか。飛ぶと早いんやけど、君達は飛ばれへんからね」

「どれ位、距離はあるんだ?」

[歩くと1時間くらいかなぁ]

「それぐらいなら、余裕で歩けるわ」

「でも、足元をちゃんと見て歩きや。危ない所もあるねん」

「危ない所って?!!」

ネオは、面倒臭そうに

「説明出来へんから、付いておいでよん」

「うん、わかった。ネオ、ありがとうね」

「いいよ、気にしなくて、僕が困った時に助けて無いとだけどねん」

こいつが、困るって...想像超えて、こぇーんだけど💧...

3人は森の中を慎重に進んでいく。

「リアム、早く裂け目を見つけて帰ろうね」

「そうだな、早く家に帰ろうぜ。それと、危ねぇから上も下も見て歩かなきゃな」林には、道と思われる跡がある。

「ねぇ、リアム。時計はどうなってるの?」

「止まってる...時間の感覚がわかんねぇぜ」時計の針が、止まっていることに今気付いた。

「おい、ネオ、時計ってあるのか?」

「あるよん。家に着いたら渡すよん」羽音を鳴らさずに、飛んでいる。

「本当!良かった。時間が解らないと、人間世界に帰ったら、お婆ちゃんになっちゃう..」林の出口が近いのか、遠くに黒い入り口が見える。

「半分近く進んだけど、もう少ししたら岩の山があるのねん」ネオは、少し高く飛んで奥を見て言った。

「岩?山?高い山なのか?」

「普通やと思うよん」

何が普通なのかが、わかんねぇのに・・・

「見えてきたけど...山と言うより...丘かな」

「ふ~ん。それと、山を登る時は僕は飛ぶからねん」静かだった羽を、バタバタ鳴らした。

「マジかよ!魔法で俺達も飛べるようにしてくれよ」俺は、飛んでいるネオを見た。首がイテェ...

「何か勘違いしてるみたいやけど、僕はジンじゃないから魔法は使えへんよん」... 魔法使えねぇって使えねぇ奴だな。

「ジンって何なの?」

「君達が知ってるんは、アラジン。アラジンに頼むとアーケが沢山いるけどねぇ」

「アーケって何?」周りが、少し暗くなってきて、足元に石が増えてきた。

「街に着いたら説明するよん」丘の手前に着いた。

「岩を登る前に、少し休憩しましょうよ」

「いいよん。日がくれる前には街に着くしねん」

「みんなで、座りましょ」

俺達は、岩山の麓で休憩した。

「レイチェル、ミルク飲むか?」

「ううん。水にしとくわ」レイチェルは、ペットポトルを出して水を飲み始めた。

「じゃ、俺も」

「リアム、ミルク持ってんのんか!」ネオは、顔を寄せて聞いてきた。

「僕ミルクが飲みたいなぁ」

「いいぜ」コップにミルクを注いでネオに渡した。ネオは、ミルクを飲み出した。

「何て!美味しいんだ♡僕の夢が叶ったよ♡」

「この世界には、ミルクは無いのか?」

「あるけど、危険な所にあるから取りに行けへんねん。だから初めて飲んだんだよん」

「そっかぁ、飲めて良かったな」

「リアム分けてくれて、ありがとう」

・・・おやっ!結構良い奴なんかも・・・

何か、舞台とかの張りぼての岩みたいだな。

俺は、軽く岩にパンチした。

「イッ .イテェ!」リアルに岩だ...張りぼてじゃない...

「リアム!どうしたの?大丈夫?」

ネオは、見ていたのか又クスクス笑っている。

「何でもねぇよ」殴んの、軽くしてよかったぁ💧

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