名前も姿形すら変わっても、変わらない芯がある。そんな主人公を応援したい

これぞファンタジーといえる物語。工夫された時間軸の流れが、世界観にマッチしていて、冒険をしているようなワクワク感を味わえました。

特に、初期の絶望に満ちた境遇から、忘れていた自分自身を主人公が取り戻し、章が変わって一気に雰囲気が明るくなるところ(「第一部 一話 これがはじまり」までの流れ)。
ここが私は大好きです。まるで暗い森をようやく抜けて、見晴らしがよい場所で陽を見上げるような、そんな感覚になれました。
グリモワールとおトモダチみたいになれちゃうのも好きです笑

また、作中、主人公である彼女は見た目や名前が変わります。
姿が変わった自分に葛藤しつつ、それを受け入れる主人公に「自分を生きる」ということの意味を考えさせられました。何になろうとも成すべきことを成し遂げる、そんな主人公の強さを感じて、負けないで、と気づけば応援していました。

読めば主人公の生きる姿勢から、きっと勇気をもらえます! おすすめの一作です。