第10話 4日目 林檎にフルーツトマト甘いですわ〜
朝ごはんを軽く済ましたトモはクイーンと共に、菜園にやって来た。其処には立派な林檎の木が実っており、フルーツトマトの方も艶々のトマトが実っていた。
そんな中一際目立つ林檎が一つ。
「か、輝いてますわ」
「にゃん」
『金の林檎とはまた下手な』
『実際に見ると、食べるべきなのか悩むわね』
『あーてか、金の林檎って中まで金なのかな?』
『さあ?』
「取り敢えず採ってみるしかないわ。クイーン」
「にゃ!」
クイーンが林檎の木を蛇の如くするすると登って、金の林檎を咥えて降りて来る。
トモはそれを受け取ると、不思議そうに見つめる。
「食べてみますわ」
「ぎにゃ?!」
『躊躇なく行ったー!!』
『さあ!味は?』
『中身の色は!』
「シャク、シャク。甘いですわ〜……中身は普通の林檎なのですね」
「にゃ〜ん」
『甘かったみたいだわ』
『水々しいね』
『中は普通だったか』
一つをペロリと食べ終わるトモ。
[黄金林檎を一個食べました。スキル:【第二ノ生命】を得ました。]
スキル【第二ノ生命】レベルEXとは、HPバーが五百増え、ダメージを受けた際には先に【第二ノ生命】が減ります。
「またスキルってのを獲得しましたわ」
『ふぁ?!』
『食べるだけでスキルだと!』
『効果は?効果を早!!』
その思いが通じたのかどうかは分かりませんが、トモは目の前に現れたウインドウをタップする。
「えーと、スキル【第二ノ生命】?効果は、HPバー?が増える。HPバーってなんですの?ダメージ?を受けたらその五百あるHPバー?が先に減る?よく分からないですわ」
『HPを増やすスキルだっと』
『タンクの俺し、めっちゃ欲しい!!誰か!何処かで金の林檎を見てないか!』
『あ!世界樹の一番上にあったわ!』
『あ、あそこか……』
世界樹とは、始まりの町とエルフの里にある天まで伸びる大きな木その上には、謎に光る金色の果実があったという。
「わからない事は置いといて、次はフルーツトマトを食べてみますわ!あむ……甘くてプチっプチって噛む度に楽しいですわ」
「にゃー」
林檎とは違って一つ一つが小さい為、どんどん食べるトモ。最終的に五十個近く食べていた。
『お嬢は本当に良く食べるなー』
『頬がリスみたいに膨らんでて可愛いですー』
『そんなに美味しいのか。トマトは苦手だが、食べてみたい……』
「ふー少し食べ過ぎましたわ」
「にゃん……」
[強防御力フルーツトマトを五十五個食べました。防御力が四十五増えました]
「ちょっと日向ぼっこでもしましょうか。クイーン」
「にゃー」
一人と一匹は林檎の木の下で寝っ転がり仲良くお昼寝を始めました。
『お嬢の寝顔プライスレス!』
『配信されてるとは一切思っていない、安らかな眠りね』
『俺も今日は寝ようかな』
『zZ』
『zZ』
『はえーな!お前ら』
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